ジェネリック医薬品をもっと知っていただくために

医療関係者の方向け情報

ジェネリック医薬品について

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6.ジェネリック医薬品を取巻く環境

国民医療費の伸び、患者の負担増

少子高齢化の進行や医療技術の進歩などによって国民医療費は増加してきておりますが一方で経済環境や財政環境は厳しい状況にあり、今後とも、少子高齢化社会を見据えて、医療制度改革は大きな課題となっています。医療の質を落とすことなく医療の効率化を図り国民皆保険制度を維持していくためにも、国の負担軽減に資するためにも、医療資源(リソーシス)の効率化を通じて国民医療費の軽減を検討していくことが求められています。

我が国の総医療費は平成11(1999)年度)に30兆円を超え、そのうち約2割を薬剤費が占めています(図1)。ジェネリック医薬品の有効利用により薬剤費の軽減が可能です。日本ジェネリック製薬協会の調査では、長期収載品を代替可能なジェネリック医薬品に変更すれば、年間およそ1兆数千億円の薬剤費が削減されると試算しています。

図1

グラフ:国民医療費と薬剤費

(注)

 ●国民医療費(厚生労働省大臣官房統計情報部調べ)
 ●国民医療費における薬剤費は、公費負担等においても医療保険と同じ割合で薬剤が使用されたもの
  と仮定し国民医療費に医療保険における薬剤費比率をかけて推計している。

ジェネリック医薬品使用促進の動き

平成14(2002)年4月以降、ジェネリック医薬品の使用促進につながる診療報酬・調剤報酬改定や処方せん様式の変更などが行われてきていますが、ジェネリック医薬品の使用促進に関して政府方針としての位置づけが具体的目標をもって明確化されたのは平成19(2007)年です。政府においては、平成19(2007)年6月経済財政諮問会議において、「平成24(2012)年度までにジェネリックのシェア(数量ベース)を30%以上に」という数値化目標を策定しました。厚生労働省では、平成19((2007)年10月、ジェネリック医薬品に関する安定供給・品質確保・情報提供等の充実・向上と使用促進を図るための「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を策定しました。 
診療報酬・調剤報酬改定等では、平成20(2008)年4月、○保険薬局におけるジェネリック医薬品の調剤率が30%以上の場合に加算できる「後発医薬品の調剤体制加算」が設けられ、○処方せん様式では従来はジェネリック医薬品へ変更しても差し支えない場合に医師が署名することになっていましたが、逆にジェネリック医薬品への変更が不可とする場合に医師が署名するように変更され、○保険薬局や保険薬剤師にジェネリック医薬品の調剤に必要な体制確保や患者さんに対する説明義務などを新しく規定した「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」の改正が行われました。
日本ジェネリック製薬協会としては、「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」に積極的に取り組んできていますが、そのほか、医療関係者だけではなく広く国民にジェネリック医薬品に対する理解を深めて頂けるよう広報活動にも傾注しています。また、健康保険組合等においても、ジェネリック医薬品による医療費節減効果などに関する被保険者等へのお知らせなどの広報が実施されてきています。


拡大するジェネリック医薬品市場

日本ジェネリック製薬協会の調べでは、ジェネリック医薬品の金額(薬価)ベースシェア及び数量ベースシェアの推移は、以下(図2)のグラフのとおりで、全体的には上昇傾向にあります。国は平成24(2012)年度までに、ジェネリック医薬品のシェアを30%以上に引き上げるという目標を掲げ、総合的な施策を講じることとしておりますし、業界においても安定供給・品質確保・情報提供等の充実・向上あるいは広報に積極的に取り組んできており、今後、ジェネリック医薬品の使用が更に進み、ジェネリック医薬品のシェアが拡大していくことが予想されます。
なお、日本に比べて欧米諸国ではジェネリック医薬品が積極的に使用されており、そのシェアは日本に比べて非常に高い割合となっています。


図2

グラフ:ジェネリック医薬品国内シェア

日本ジェネリック製薬協会調べ(一部 IMSデータ使用)


医療先進国におけるジェネリック医薬品の使用状況

グラフ:世界のジェネリックシェア2008

(注)

 ●出展:IMS Health, MIDAS, Market Segmentation, RX only, メーカー出荷ベース、MAT Dec 2009 を基に
  JGAで分析
 ●諸外国と日本では、GEの分類等が異なるため、単純比較は難しい

米国

米国では、国民皆保険制度のように広く一般国民を対象とする公的医療保険制度がなく民間保険が主導的です。医療保険会社はジェネリック医薬品の使用を奨励しており、患者さんも廉価なジェネリック医薬品の処方を希望する場合が多いです。また、米国では薬剤師による代替調剤がほぼ全州で認められています。2009 年現在、ジェネリック医薬品のシェアは数量ベースで71.6%、金額ベースで14.2%となっています。

英国

英国では、一般名処方が一般的となっており、薬局において調剤される際には、先発医薬品しかない場合もありますがジェネリック医薬品が多く使用されています。2006 年イングランド地域における一般名処方及び後発品調剤の実態(処方ベース)では、一般名処方の比率は81.8%(うち後発品調剤62.2%、先発医薬品調剤19.6%))となっています。代替調剤については、院内で一部認められていますが、外来の院外処方(地域の薬局で調剤される処方せん)では認められていません。なお、英国には参照価格制度はありません。2009年の英国でのジェネリック医薬品シェアは数量ベースで65.2%、金額ベースで26%となっています。

ドイツ

ドイツでは、医師が代替調剤不可と処方せんに記載しない限り代替調剤が認められることになっています。1989 年には、参照価格制度が導入され、その後様々な見直しがされてきています。制度導入時においては同じ有効成分の医薬品に対して(レベル1)参照価格が設定されていましたが、現在は同種同効品など(レベル2及びレベル3)3つのレベルがあります。また、ドイツでは保険医によって処方される医薬品等に関して州疾病金庫連合会と保険医協会の間で協定が結ばれていて、いわば予算制がとられています。2009 年のドイツにおけるジェネリック市場は数量ベースで62.9%、金額ベースで23.7%となっています。

フランス

フランスでは、1995 年CEM(医薬経済委員会)ジャン・マルモ委員長がまとめたジェネリック医薬品に関する答申をもとに基本政策が策定されました。以降、薬剤師による代替調剤の公認、薬局マージンに対する優遇措置、参照価格制度導入等の施策が順次展開されています。1990 年台には、代替調剤不可と処方せんに記載しない限り代替調剤が認められることとなり、ジェネリック医薬品の薬局マージンを先発医薬品と同じ額とすることなどが実施されました。また、2003 年には一部ジェネリック医薬品への代替率が低いものを対象としたTFR制度(フランス版参照価格制度)が導入されています。2009 年のフランスにおけるジェネリック市場は数量ベースで44%、金額ベースで19.6%となっています。フランスにおけるジェネリック市場シェアは、他の欧米諸国と比べるとまだ低いものの、今後ジェネリック医薬品の市場シェアは着実に上昇するものと予想されます。