ICHの動向について
ICH は、The International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)の略称です。ICH活動の目的は、世界規模で薬事規制上のガイドライン(科学的・倫理的に適切と考えられる指針)の調和を図ることにあり、安全性・有効性・品質の高い医薬品が確実に開発、上市され患者さんが新しい治療を継続的に利用できるよう促進しています。
ICH会議には、当協会も加盟する国際的なジェネリック医薬品業界団体であるIGBA;International Generic and Biosimilar Medicines Association(国際ジェネリック医薬品・ バイオシミラー協会)が総会メンバーとして参画しており、当協会からも品質や製剤関連のトピックの作業部会に専門家を派遣しています。
2018年6月時点でのICH 参加団体は、 メンバーが16 団体、 オブザーバーが 27 団体と設立当初から大幅に拡大しています。
6月に神戸で開催された総会では、管理委員会の委員を追加するための選挙が行われIGBAもメンバーとして選出されました。管理委員会は、 ICH 総会の議論の準備や ICH 法人の運営に関する事項の決定等を行っていますが、ガイドライン実装調査、新規トピック、トレーニングなど実務面での活動にもIGBAは参画することになります。
また、6月の総会ではガイドラインの新規策定、改定の対象となる5つの新規トピックが採用されました。「分析法開発と分析法バリデーション(改訂)」、「連続生産」など将来の業界に関わるトピックが採用されており、今後は、後発医薬品の規制調和に関する戦略的な議論も検討される予定です。
ICHガイドラインは、従来新医薬品の申請承認に適用されてきましたが今般ジェネリック医薬品においても適用されてきており、加えて中国、ブラジル、シンガポール、韓国、台湾などの国もICH活動に参画しており、ジェネリック医薬品・バイオシミラー業界の役割の重要性が益々増してきています。
このようにICH活動への積極的な関与が必要となる中、当協会としても取り組みを一層強化し中長期的な視点での対応が望まれます。