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医療関係者の方向け情報

ジェネリック医薬品について

ジェネリック医薬品とは

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品(新薬)の独占的販売期間(特許期間及び有効性・安全性を検証する再審査期間)が終了した後に発売される、先発医薬品と同じ有効成分で効能・効果、用法・用量が原則同一であり、先発医薬品に比べて低価格な医薬品です。
欧米では有効成分の一般名(generic name)で処方されることが多いため、「ジェネリック」という言葉で呼ばれています。

ジェネリック医薬品の意義と役割

我が国では国民皆保険制度により、一定の自己負担で、必要な良質の医療を平等に受けることができます。その一方で医療技術の進歩、急速な高齢化等の要因により医療費は増加し続け、医療財源が逼迫しつつあることから、国民皆保険制度の継続が不安視されています。この国民皆保険制度を維持し、医療の質を確保しながら効率的な医療サービスの提供を継続するため、ジェネリック医薬品の使用促進が求められています。

ジェネリック医薬品の有効性と安全性

ジェネリック医薬品は、主に「規格及び試験方法」、「安定性試験」、「生物学的同等性試験」の項目で承認審査され、これらの内容が先発医薬品と同等であることを示すことによって、有効性・安全性に問題がないことが確認され承認されます。 詳しくは「3.ジェネリック医薬品の承認申請」をご参照ください。

ジェネリック医薬品の開発費と薬価

ジェネリック医薬品は先発医薬品の長年にわたる臨床使用経験(有効性・安全性等)を踏まえて開発・製造されます。ジェネリック医薬品は先発医薬品に比べ研究開発費が少なくてすむため、低価格での提供が可能となります(但し、最近ではもっと費用が掛かるものが増えています)。

新薬開発のプロセスとジェネリック医薬品の販売まで

ジェネリック医薬品は、年2回承認され、6月と12月に薬価基準収載されます。なお、ジェネリック医薬品が初収載される場合、基本的には先発医薬品の薬価の0.5掛けですが、内用薬については収載希望品目数が10品目を超えた場合に先発医薬品の薬価の0.4掛けとなります。収載後、薬価は市場実勢価格により改定を経るに従って低下していきます。

医薬品の特許期間とジェネリック医薬品

どんな画期的な発明でも、その特許権の存続期間が満了した後は、国民の共有財産となり、誰でも自由にその発明を利用することができます。これが特許制度の根幹の一つです。

特許の存続期間は出願から20年で、医薬品の場合は安全性等を確保するための試験の実施や国の審査等により特許権の存続期間の侵食があるため、最大で5年間の延長が認められます。その間、特許出願者(通常は先発医薬品を研究開発した製造販売業者)が独占的に製造販売できる権利を有します。しかし、特許期間満了によって、その有効成分や製法などは国民の共有財産となるため、ジェネリック医薬品を製造販売できるようになります。

医薬品の特許

医薬品に関する特許には次のようなものがあります。

物質特許

化合物そのものの特許。製造方法が異なっても物質が同じであれば、特許の権利が及びます。

製法特許

化合物の製造方法の特許。物質が同じでも製造方法が異なっていれば、特許の権利は及びません。

用途特許

物質の新しい用途についての特許。すでに公知である用途等、特許以外の用途に用いたときは、特許の権利は及びません。

例)
①化合物Aを有効成分として含有する抗血小板薬。
②公知の用途以外に新たに異なる用途が発見された場合(たとえば爆薬原料のニトログリセリンでの、新たな用途である狭心症治療薬としての発見)。この場合には公知の用途には、特許の権利が及びません。

製剤特許

製剤の処方内容の特許。添加する物質に特徴があるとき特許となり得ます。

例)
①有効成分Bに添加剤CとDを配合した徐放製剤
②有効成分Eに添加剤FとGを配合した速溶錠

通常、「先発医薬品の特許期間の満了」とは「物質特許の期間満了」を指します。製法特許や製剤特許の特許期間が残っている場合は、それらの特許に抵触しない製造や製剤化が行われます。また、先発医薬品の「用途特許」が存在する場合にはジェネリック医薬品で「効能・効果」、「用法・用量」の一部が異なる場合もあります。

法的基準について

医薬品に関する基準

医薬品は、薬機法※のもと、下記のようなさまざまな規制を遵守して開発・製造販売されていますが、その規制は先発医薬品独自のものでなく、ジェネリック医薬品も先発医薬品と同じものとなっています。
※薬機法:「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

日本における医薬品の法的基準

ジェネリック医薬品の承認申請

ジェネリック医薬品の承認申請は通常、「規格及び試験方法」、「安定性試験」、「生物学的同等性試験」の3つの資料と添付文書記載事項(添付文書案)の提出によって審査されます。

医薬品の申請資料

ジェネリック医薬品の承認申請

○:添付×:添付不要△:個々の医薬品により判断される

先発医薬品と比較してジェネリック医薬品の承認申請資料が少なくてすむのは、有効成分に関する有効性・安全性はすでに先発医薬品において確認されている(毒性試験、薬理試験、臨床試験等)ため、同一の有効成分を使用するジェネリック医薬品ではそれらの試験の必要がないからです。
この考え方は、FDA(アメリカ食品医薬品局)、EMA(欧州医薬品庁)等世界共通です。
ジェネリック医薬品の実施試験が少ないからといって、先発医薬品と比べて有効性、安全性、品質が劣ることは決してありません。

(1)規格及び試験方法

原薬及び製剤の規格及び試験方法(性状、確認試験、純度試験、溶出試験、含量試験等)における基準は、先発医薬品、ジェネリック医薬品において同様であり、国の厳格な審査を受けて承認されます。また、ジェネリック医薬品の承認審査においては、原薬と製剤両方に対して、対照となる先発医薬品と同等またはそれ以上の規格設定が承認の条件となっています。

(2)安定性試験

医薬品の市場流通期間中の品質を保証するため、安定性試験を実施しています。承認申請時に実施する加速試験(通常40℃±2℃ 75%RH±5%RH、6ヶ月)の他、長期保存試験(通常25℃±2℃、60%RH±5%RH、3年間)も実施し、有効期間内の品質に問題の無いことが確認されています。また、医療機関での使用時の品質を保証するために無包装状態下における安定性試験等を実施し、使用状況下での情報が提供されています。

(3)生物学的同等性試験

ジェネリック医薬品は対照となる先発医薬品と生物学的に同等であることをもって承認されます。生物学的同等性が実証できれば、改めて臨床試験を行うことなく、両医薬品の臨床における有効性と安全性の同等性が担保されます。
生物学的に同等とは、ジェネリック医薬品と先発医薬品のバイオアベイラビリティ(生物学的利用能:薬物が血管外投与部位から全身循環血中に入る速度と量)が同等であることをいい、ジェネリック医薬品と先発医薬品を個々に投与したときの、最高血中濃度(Cmax)、血中濃度時間曲線下面積(AUC)等を比較することにより、統計的に同等であるか否かを評価します。
生物学的同等性の評価方法は「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」に定められており、ガイドラインに定められた試験方法や基準は最新の科学的知見に基づく世界標準の考え方です。

生物学的同等性の試験方法

ジェネリック医薬品(試験製剤)と先発医薬品(標準製剤)を用いて、原則としてクロスオーバー法で、健康成人を対象に臨床常用量を投与し、その薬物(有効成分)の血中濃度の時間推移を測定します。

クロスオーバー法とは

クロスオーバー法とは、同一被験者が一定期間を空け、先発医薬品とジェネリック医薬品をそれぞれ交互に服用する試験方法です。

クロスオーバー法とは

生物学的同等性の評価方法

生物学的同等性試験の評価は、試験によって得られたデータを統計的に解析して行います。CmaxとAUCを主なパラメーターとし、最高血中濃度到達時間(tmax)や血中濃度半減期(t1/2)などは参考パラメーターとして用います。
作用発現時間の差が臨床的有用性に影響を与える可能性がある場合にはtmaxもCmax、AUCとともに生物学的同等性試験の判定パラメーターとなることがあります。

有効成分の血中動態の測定

Cmax:最高血中濃度(maximum drug concentration)
生体内に投与された薬物の血中濃度の最高値。

AUC:血中薬物濃度一時間曲線下面積(area under the blood concentration time curve)
生体内に投与された薬物の血中濃度を経時的に表したグラフの曲線と時間軸によって囲まれた部分の面積。薬物のバイオアベイラビリティやクリアランスの指標となる。

t max:最高血中濃度到達時間(maximum drug concentration time)
生体内に投与された薬物が最高血中濃度(Cmax)に達するまでの時間。

t 1/2:血中濃度半減期
生体内に投与された薬物の血中濃度が半減するまでの時間。

Cmax 薬物血中濃度 AUC 時間(t)

ジェネリック医薬品の品質確保について

医薬品の品質は、先発医薬品もジェネリック医薬品も同じ基準で管理、製造されています。

(1)品質保証の基準(GQP)

平成17(2005)年4月の改正薬事法の施行により、医薬品製造販売業の許可は製造所の保有を前提としないこととなり、原薬から包装された最終製品に至る医薬品の製造は、自社を含む国内外の医薬品製造業の許可のもとで行われることになりました。これらを総合的に管理し、製造販売する医薬品の品質を保証するのが製造販売業者であり、「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準(GQP)」は製造販売業者が守るべき基準です。

(2)品質保証体制

製造販売業者は総括製造販売責任者の管理のもと、品質保証責任者が製造販売する医薬品の品質保証にあたっています。原薬から最終製品に至るまでの医薬品の製造に関わる全ての製造所を総合的に管理し、出荷される医薬品の品質を確保します。ジェネリック医薬品の製造所において、ジェネリック医薬品だけが製造されているのではなく、多くの先発医薬品も受託製造されており、先発医薬品、ジェネリック医薬品を問わずこれら製造所の管理がその品質を決定します。

医薬品製造販売業の管理体制
医薬品製造販売業の管理体制

(3) 製造管理及び品質管理の基準 (GMP)

製造所における医薬品の製造は「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)」及び「薬局等構造設備規則」に基づき、ソフトとハードの両面から適切に管理されています。各製造所は製造する医薬品の種類に応じた適切なクリーン環境を整えており、その製造は教育訓練を受けた作業者により、定められた手順に基づき行われています。また、品質部門により、原薬、製造の各工程、中間製品並びに最終製品の品質は厳重に試験・検査されています。更に行政による定期的な査察を受けることも義務付けられています。

(4)品質再評価とは

平成7(1995)年3月以前に承認申請された医薬品は、先発医薬品、ジェネリック医薬品を問わず溶出試験が義務づけられていませんでした。この事実を踏まえ国は、内用固形製剤の溶出性に係わる品質が適当であることを確認すると共に、適当な溶出試験を設定することにより内用固形製剤の品質を一定の水準に確保することを目的に平成9(1997)年から品質再評価を実施しています。平成28(2016)年1月現在、品質再評価の対象とされた857成分のうち、再評価結果が通知されたのは636成分(4588品目)です。
再評価指定された成分のうち、難溶性等の理由により溶出試験における規格設定が困難であるものを除き、概ね全ての品質再評価が終了しています。

溶出試験

溶出試験は製剤から有効成分の溶け出す量や速度を機械的に測定する方法で、医薬品の生物学的同等性を判断する上で、適切な指標を得ることが出来ます。また、製造過程の品質管理に用いることができる他、外部の試験機関で試験し確認することもできます。

溶出試験(パドル法)
溶出試験(パドル法)
「医療用医薬品品質情報集」(日本版オレンジブック)

医療用医薬品品質情報集(日本版オレンジブック)は品質再評価の結果を収載した情報集です。品質再評価により溶出挙動の同等性が確認できたジェネリック医薬品が収載されています。
また品質再評価以降の製品は基本的に「規格及び試験方法」に溶出試験の設定が義務付けられていますが、その情報も組み込んだ「 オレンジブック総合版 」は、医療用医薬品品質情報集を補いジェネリック医薬品の溶出性にかかる品質の広範囲な情報を掲載し、利用者の便宜を図ったものです。
オレンジブック総合版 」はインターネットで公開されています。

アメリカのオレンジブックと日本のオレンジブックの相違

アメリカのオレンジブックは製品毎にメーカーから提出されたデータ、公表されたデータをもとにFDAが生物学的同等性の確認状況をコードで分類しているもので、日本のオレンジブックが品質再評価結果を掲載しているのとは本質的に異なっています。

(4) ジェネリック医薬品品質情報検討会、後発医薬品情報

ジェネリック医薬品の品質に対する信頼性の確保の為、厚生労働省の委託を受けて平成20年、国立医薬品食品衛生研究所に、「 ジェネリック医薬品品質情報検討会 」が設置されました。本検討会では有識者の協力を得て、ジェネリック医薬品の品質に関する情報について学術的観点から検討するとともに、必要な試験・評価を実施し公表しています。

ジェネリック医薬品品質情報検討会 後発医薬品の試験検査等の実施による品質確保

また、医療関係者や一般の方に対し、ジェネリック医薬品の使用に際し有用な情報を提供することを目的に、厚生労働省から平成26年4月より「 後発医薬品品質情報 」が発行されています。 「 後発医薬品品質情報 」にはジェネリック医薬品品質情報検討会が検証しているジェネリック医薬品の品質に関する情報等が掲載されています。

ジェネリック医薬品の安全管理について

(1) 安全管理情報の収集・評価・提供

先発医薬品と同様に、ジェネリック医薬品を適正に使用していただくために、製造販売後における安全管理基準等を遵守し、副作用情報等の迅速かつ適正な収集・評価・提供を行っています。また、医療関係者の他、患者・一般の方からのお問い合わせに対応できるよう、各企業ではくすり相談窓口を設置しています。

(2) 製造販売後安全管理

平成17(2005)年4月の改正薬事法の施行により、製造販売後の安全対策を強化する目的で製造販売業の許可要件として、総括製造販売責任者、安全管理責任者等の設置が義務付けられました。
ジェネリック医薬品企業においても、先発医薬品企業と同様に製造販売後の安全管理を適正かつ円滑に運用するための体制を整えています。

(3)製造販売後調査

ジェネリック医薬品は先発医薬品の再審査により既に有効性と安全性が検証されているため、先発医薬品で義務づけられている製造販売承認後の使用成績調査は通常行われませんが、成分によっては更に特定使用成績調査を求められることがあります。これらの調査は先発医薬品と同様に医薬品管理リスク計画を提出し、医療機関での使用実態を安全性を中心に調査収集、評価・解析を行い、安全性について評価した結果を医療機関にフィードバック(伝達)することで安全対策を図っています。

(4)医薬品副作用被害救済制度

医薬品副作用被害救済制度 」は、医薬品等を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用により健康被害を受けた方に対して、医療費等の給付を行い、被害を受けた方の迅速な救済を図ることを目的として、昭和55(1980)年に創設された医薬品医療機器総合機構法に基づく公的な制度です。
医薬品副作用被害救済制度 」は医療用医薬品(先発医薬品、ジェネリック医薬品)、一般用医薬品を問わず発生した健康被害に対して、医療費の給付等の救済を受けることができます(ただし救済には審査があり、また抗がん剤等一部対象外の医薬品もあります)。
医療費等の給付に必要な費用は、先発医薬品、ジェネリック医薬品とわず、全ての医薬品製造販売業者等からの拠出金で賄われています。

医薬品副作用被害救済制度

ジェネリック医薬品の安定供給について

ジェネリック医薬品の製造販売業者は、先発医薬品の製造販売業者と同様に、医療用医薬品を扱うものの使命として、良質で廉価なジェネリック医薬品を医療機関・調剤薬局に安定供給するべく鋭意努力しています。
具体的には、国民及び医療関係者の皆様が安心してジェネリック医薬品を使用して頂けるよう、行政、医療関係者、医薬品業界など国全体で取り組む施策として平成25(2013)年に策定された「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」に則り、納品までの時間短縮、供給ガイドラインの作成、安定供給マニュアルの作成、業界団体による支援、製造所に対する品質管理の徹底、品切れを起こした場合の迅速な対応、原薬調達や供給能力などに関する計画の作成について真摯に取り組んでいます。

ジェネリック医薬品供給ガイドラインと安定供給マニュアル

平成25(2013) 年に策定された「 後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ 」において、ジェネリック医薬品の製造販売業者が「安定供給マニュアル」を作成するための指針となる「 ジェネリック医薬品供給ガイドライン 」を業界団体で策定することとされました。 このガイドラインでは、これまでに経験した品切れ事例を調査・分析し、その原因を排除するためにたてられた対策点を参考に、各企業が「安定供給マニュアル」を作成するにあたって留意すべきことを、12の手順として定めております。

<ジェネリック医薬品供給ガイドラインに記載されている手順>
  1. 原薬の安定確保に関する手順
  2. 在庫管理に関する手順
  3. 生産管理に関する手順
  4. 他社に製剤を製造委託する場合の手順
  5. 配送に関する手順
  6. 安定供給に関連する情報の収集、評価に関する手順
  7. 安定供給に支障をきたすおそれがある案件発生時の対応に関する手順
  8. 品切れ等発生時の対応に関する手順
  9. 供給停止に関する手順
  10. 記録に関する手順
  11. 自己点検に関する手順
  12. 制定改廃に関する手順

すべてのジェネリック医薬品の製造販売業者は、本ガイドラインに準拠した「安定供給マニュアル」を作成・運用し、適切な需要予測に基づく原薬等の確保、製造管理・品質管理の徹底により、医薬品製造販売業者として安定供給の責任を果たすことに努力しています。
当協会会員会社における製品の供給状況については 「 製品の供給状況について」 をご参照ください。
また、会員各社の取り扱い製品および取り扱い販売業者等の詳細については、「 流通に関する問い合わせ 」から各社へお問い合わせください。

ジェネリック医薬品の製剤工夫と添加剤について

(1)ジェネリック医薬品と製剤工夫

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と全く「同じ」である必要はなく、製剤工夫等をした製品もあります。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品の再審査期間及び特許が切れた後に発売になることから、服薬アドヒアランスを向上させたり、医療関係者・患者の利便性を向上させたり、安全性を向上させた製品もあります。

ジェネリック医薬品の製剤工夫例

<服薬アドヒアランスの向上>

  • 口腔内崩壊錠
  • 苦味マスキング技術
  • 先発医薬品に無い服薬し易い剤型・規格追加

<医療関係者・患者の利便性の向上>

  • 錠剤への製品名のカタカナ印刷
  • 視認性の良いPTPシートなどの表示
  • 保存条件の改善(例えば冷所保存→室温保存)

<安全性の向上>

  • 抗がん剤調整時の被爆防止のためのシュリンク包装等

(2)添加剤について

ジェネリック医薬品と先発医薬品では、使用している添加剤が異なる場合があります。例えば先発医薬品が製剤特許を有している場合などは、ジェネリック医薬品は先発医薬品と異なる添加剤を使用することがあります。その他、製剤工夫のために添加剤を変えたりすることもあります。
医薬品に使用する添加剤は先発医薬品、ジェネリック医薬品ともに、その製剤の投与量において薬理作用を示したり、有効成分の治療効果を妨げるものは使用できません(日本薬局方製剤総則)。使用前例があり、安全性が確認されている添加剤が使用されています。添加剤が異なっても、有効性や安全性に影響はありません。
ただし、アレルギーをお持ちの患者さんは、先発医薬品、ジェネリック医薬品を問わず、添加剤の中でアレルギーを起こすものがあるかもしれませんので、添付文書には原則全ての添加剤が記載されています。
ジェネリック医薬品と添加剤についての詳細は 「医薬品添加剤について」(PDF 496 kb) をご参照ください。

ジェネリック医薬品を取巻く環境について

国民医療費の伸び、患者の負担増

高齢化や医療技術の進歩などによって国民医療費は年々増加していますが、一方で経済環境や財政環境は厳しい状況にあり、医療制度改革は大きな課題となっています。医療の質を落とすことなく医療の効率化を図り、国民皆保険制度を維持していくために、医療資源の効率化を通じて国民医療費の適正化を図ることが求められています。
我が国の国民医療費は平成27(2015)年度に42兆円を超え、そのうち約2割以上を薬剤費が占めています。ジェネリック医薬品の有効利用により薬剤費の軽減が可能です。

国民医療費・対国内総生産及び対国民所得比率の年次推移
平成27年度 国民医療費の概況(厚生労働省)

平成27年度 国民医療費の概況(厚生労働省)

ジェネリック医薬品使用促進の動き

平成14(2002)年4月以降、ジェネリック医薬品の使用促進につながる診療報酬・調剤報酬改定や処方せん様式の変更などが行われてきていますが、ジェネリック医薬品の使用促進に関して政府方針としての位置づけが具体的目標をもって明確化されたのは平成19(2007)年です。

平成19(2007)年6月
経済財政改革の基本方針2007において「平成24(2012)年度までにすべての医薬品に対するジェネリック医薬品のシェア(数量ベース)を30%以上に」という数値目標を策定しました。

平成19(2007)年10月
厚生労働省はジェネリック医薬品に関する安定供給・品質確保・情報提供等の充実・向上と使用促進を図るための「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を策定しました。

平成20(2008)年度診療報酬・調剤報酬改定

  1. 「後発医薬品調剤体制加算」:保険薬局のジェネリック医薬品調剤率(処方せん枚数)30%以上に加算。
  2. 「処方せん様式の変更」:「変更可能の場合に署名」から「変更不可の場合に署名」に変更。
  3. 「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」の改正:保険薬局や保険薬剤師にジェネリック医薬品の調剤に必要な体制確保や患者さんに対する説明義務などを新しく規定。

平成22(2010)年度診療報酬、調剤報酬改定

  1. 後発医薬品調剤体制加算の段階的評価:処方せん枚数割合から後発医薬品の数量ベース割合に変更、段階的に点数を設定(20%以上6点、25%以上13点、30%以上 17点)。
  2. 医療機関の後発医薬品使用体制加算を新設(採用割合20%以上)。
  3. 含量違い、類似別剤型への変更調剤(10mg1錠 → 5mg2錠、カプセル→錠)
  4. 「保険医療機関及び保険医療養担当規則等」の改正:保険医である医師や歯科医師に患者さんがジェネリック医薬品を選択しやすいように努めることを規定。

平成24(2012)年度診療報酬、調剤報酬改定

  1. 後発医薬品調剤体制加算の段階的評価の見直し(22%以上5点、30%以上15点、35%以上19点)
  2. 薬剤情報提供文書を活用した後発医薬品の情報提供への評価
  3. 医療機関の後発医薬品使用体制加算の見直し(20%以上28点、30%以上35点)
  4. 一般名処方の推進
  5. 処方せん様式の変更(薬剤ごとに変更可否を明示)

平成25(2013)年4月
「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定
厚生労働省はジェネリック医薬品のシェアを平成30年度までに60%以上(置き換え可能な市場における割合)にすることを目標として「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定しました。このロードマップには(1)さらなる使用促進の必要性(2)新たな目標の設定とモニタリングの強化(3)国、企業、保険者等の具体的な取り組みおよび課題等について明記されています。

平成26(2014)年度診療報酬、調剤報酬改定

  1. 後発医薬品調剤体制加算の段階的評価の見直し(ロードマップで示された新指標に基づく計算方式 55%以上18点、65%以上22点)
  2. 調剤薬局において一般名処方せんの際に後発医薬品を調剤しなかった場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を記載しなければならないことを規定
  3. DPC病院の機能評価係係数2に後発医薬品指数を新設

平成27(2015)年6月
平成27年6月30日、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。この中でジェネリック医薬品のシェアを「2017年(平成29年)央に70%以上とするとともに、2018年度(平成30年度)から2020年度(平成32年度)末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする。」とされています。

平成28(2016)年4月
平成28(2016)年度診療報酬、調剤報酬改定

  1. 後発医薬品調剤体制加算の段階的評価の見直し(65%以上18点、75%以上22点)
  2. 後発医薬品使用体制加算の段階的評価の見直し(新指標に基づく計算方式に変更、70%以上42点、60%以上35点、50%以上28点)
  3. 院内処方を行う診療所で後発医薬品を推進している場合の評価として、外来後発医薬品 使用体制加算を新設(70%以上4点、60%以上3点)
  4. DPC病院の機能評価係数2の後発医薬品指数の上限を引き上げ(60%→70%)
  5. 一般名処方のさらなる推進(後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方されている場合3点、1品目でも一般名処方された医薬品が含まれている場合2点)
  6. 処方時に後発医薬品の銘柄を記載した上で変更不可とする場合は、処方せんにその理由を記載

平成30(2018)年4月
平成30(2018)年診療報酬、調剤報酬改定

  1. 後発医薬品調剤体制加算の段階的評価の見直し(75%以上18点、80%以上22点、85%以上26点)
  2. 後発医薬品使用体制加算の段階的評価の見直し(85%以上45点、80%以上40点、70%以上35点、60%以上22点)
    DPC対象病棟患者の除外規定を廃止、機能評価係数1で評価(下記4)
  3. 外来後発医薬品使用体制加算の段階的評価の見直し(85%以上5点、75%以上4点、70%以上2点)
  4. DPC病院の機能評価係数2の後発医薬品指数を廃止し、機能評価係数1の評価に組み込む。
  5. 一般名処方の更なる推進のため、評価点数の引き上げ(後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方されている場合6点、1品目でも一般名処方された医薬品が含まれている場合4点)

拡大するジェネリック医薬品市場

日本でのジェネリック医薬品の使用率は年々伸びておりますが、2017年度(平成29年度)のジェネリック医薬品の数量シェア分析結果では68.8%※と世界の使用率に比べると、まだ低い状況にあります。国は現在、『2020年度(平成32年度)9月末までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する』(経済財政運営と改革の基本方針2017)と掲げており、今後、ジェネリック医薬品の使用はさらに進み、シェアが拡大していくことが予想されます。

※2017年(平成29年度)7月~9月(日本ジェネリック製薬協会資料)

※2017年(平成29年度)7月~9月(日本ジェネリック製薬協会資料)

注)上記「各国の後発医薬品の数量シェア」データは、2013年10月~2016年9月の期間で調査された数値であり日本の数量シェアは59.0%となっております。一方、文中の使用率は、2017年度(平成29年度)68.8%と記載しておりますが、この数値は2017年度(平成29年度)7月~9月のシェア分析を日本ジェネリック製薬協会が2017年12月27日に公表した最新データに基づくものです。