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月刊JGAニュース

新年を迎えて  

ニプロファーマ株式会社
代表取締役社長 西田 健一

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新年明けましておめでとうございます。
 本年が皆様にとりまして良い年になりますことを祈念申し上げます。
 また、近年は異常気象が常態となり、今年も暖冬とのことですが、やはりそれでも寒いものでございます。皆様におかれましてはお風邪など召しませんよう、お身体ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
 冬になりますと東北地方におりました学生時代を思い出します。私は大学の男子寮に住んでおり、あまり潤沢にお金が使える訳でもない100名近くの先輩、同級生、後輩と共同生活をしておりました。
 エアコンがなく電気ストーブと炬燵が重要な暖房器具でございましたし、お風呂も夜11時ぐらいになるとお湯は出なくなりました。今より遥かに積雪量も多く、外出するのも大変でしたので、とりわけ冬は厳しい環境だった様な気がしますが、寄ると触ると10名規模の宴会が発生したり、落雷で停電した時には(避雷針がなかったのではないかと思われます)皆で集まって蝋燭の灯りで過ごしたり、お金が無いときは食事を分け合ったりと、楽しい人達との楽しい生活だったと懐かしく感じます。
 25年ほどが経った今でも年賀状のやり取りはしておりますし、不思議と仕事で巡り会う人もいたりします。
 今の自分の考え方、ものの見方につきましては、当時一緒に仲間と過ごした時期の影響が大きかったのだろうと思っております。
 その様な学生時代を思い出しますと、学生、社会人を通じて、社内外を問わず、本当に多くの方々にご指導、ご教示、ご配慮頂いてきたと、つくづく幸運であったと痛感いたします。
 その様な訳で、私にとりまして、年末年始は特に、頭を垂れる稲穂でなければならないと思う時期でもございます。

 さて、ニプロファーマは、日本ジェネリック製薬協会に加盟させて頂き、理事の重責まで拝命いたしておりますが、皆様ご存じの通り、ニプログループの中にあって、医薬品の製造に特化した会社でございます。
 現在、ニプロファーマには10の工場がございます。大館工場は、秋田県の北部に位置する注射剤の主力工場の一つで、専用棟の集合体とも言えます。鏡石工場は、福島県にございます経口剤の主力工場で、埼玉県には経口剤と外用剤の工場が2つずつございます。三重県の伊勢工場は注射剤の主力工場の一つで、検査包装に特化した専用棟も保有しております。城北工場、志紀工場は大阪に位置する最も昔から存続する工場でございます。 
 また、ベトナム北部には注射剤の工場がございます。海外の工場運営はニプロファーマにとりまして初めての試みでございまして、様々なエピソードもございましたが、多くの皆様のご指導やスタッフの努力のお陰にて、随分技術が向上して参りました。
 生産の取り組みは10工場だけに限られておりませんで、ベトナム南部のプロジェクトなどもございますが、いずれにおきましても現場の人達は、粘り強く我慢強く課題に取り組み、作業に従事してくれております。
 私も時間の許す限り各工場を訪問しているつもりですが、まだまだ至らず、本年はもっと訪問しなければならないと思っております。現場の人達の話しを聞くことは、勉強にもなり、楽しみでもございます。


 ジェネリック医薬品業界の環境は薔薇色とは参りませんが、以前に比べますと遥かに多くの患者様方にご使用頂ける様になったことは間違いございません。
 生産サイドといたしましては、増産体制を構築しつつ、薬価に対応する為のコスト削減を目指さなければならないという矛盾に近いジレンマもございますが、皆様が辛いときにご使用頂く医薬品を世に供給していることを忘れずに、現場の意見に耳を傾けながら、気のいい仲間とより良い製造所を構築し、今まで以上に良い品質と安定供給を心がけて、少しでもジェネリック医薬品の地位向上に貢献できますよう、世の中の役に立ちますよう、努力し続けて参りたいと存じます。

 

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