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月刊JGAニュース

SDGs  

 SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
(エス・ディー・ジーズと発音します。)
 SDGsは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標となります。主に“発展途上国”に向けた目標を掲げたMDGsに対して、SDGsでは、“先進国も含めた全ての国”が取り組むべき目標とされた点が大きなポイントとなります。
持続可能な世界を実現するために17のゴールと169のターゲットから構成され、そこでは、「誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。


 17のゴールをデザインしたSDGsのロゴは、皆さんもどこかで見られたことがあると思います。

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 少し具体的に見ていきましょう。
SDGsのゴールの3番目に「すべての人に健康と福祉を」とあります。

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 このゴールには、13のターゲットが示されています。

●3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
●3.2 すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
●3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
●3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
●3.5 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
●3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
●3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
●3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
●3.9 2030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
●3.a すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
●3.b 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定) 及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアク セスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特にすべての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
●3.c 開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
●3.d すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。

 17のゴールごとに、このゴール3の例で記したような細目が、あわせて169のターゲットとして書かれています。

 2017年1月に日本の経団連が企業行動憲章の改定をおこない、その中で、Society5.0というコンセプトのもとSDGsに本気で取り組む姿勢を示したことが、経済、ビジネスの観点で大きなインパクトを与えました。
 
 これまでは企業はどちらかと言えば、儲けたお金を一部、あるいは余ったお金を使って社会に良いことを行おう、というCSR的な発想だったものが、SDGsでは、本業を通じて、社会的課題に取り組み世界を変えていこう、と発想の大きな転換を求めるものとなりました(SDGsに対する取り組み自体の“持続可能性を高める”観点からも、企業自身が“儲けることが重要”)。多くの企業が、社会の中で持続的に成長していくため、有効なツールとしてSDGsを位置づけ、具体的な取り組みを始めたことが、今日、SDGsが広く社会に受け入れられた真の理由かと思われます。
 
 今やSDGsは世界共通言語となっています。貸借対照表や損益計算書と言った財務諸表から読み解くことが出来ない「非財務情報」の重要性が強調される中で、企業におけるSDGsの持つ重みは日に日に増すばかりです。さらに、日本のみならず世界中で巻き起こる近年の異常気象(深刻な気候変動や災害をもたらす地球温暖化など)への対策は待ったなしの状況です。
 私たちは、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題について、自社で取り組むべき目標を設定し、自社の成長戦略に取り込み、バックキャスティングによる長期のイノベーションの推進に落とし込むことが大切です。
 SDGsの実践を通して、持続可能な豊かな世界を創造していきたいものです。
(ご参考)外務省 動画「SDGs NOW! 17 Goals to Transform Our World」
https://www.youtube.com/watch?v=WXpZ-b4Qskg

 

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