EN

月刊JGAニュース

「くすり相談委員会全体研修会」について  

日時:2019年10月29日(火)13:30~17:00
場所:ベルサール八重洲Room2・3

開会の挨拶
日本ジェネリック製薬協会
伏見 環 理事長
報告1「くすり相談アンケートの集計結果」
くすり相談委員会 アンケート対応グループ
曽部 美穂 委員
報告2「後発医薬品のインタビューフォームについて」安全性委員会 添付文書 WG リーダー
日病薬インタビューフォーム検討会
浅田 和広 委員
講演1「メディカルアフェアーズの概要/主な機能と社内での位置づけ」
大阪大学医学部附属病院 臨床研究センター
日本製薬医学会メディカルアフェアーズ部会 部会長
岩崎 幸司 先生
講演2「メディカルアフェアーズ/くすり相談 Mission, Vision, Value and Operation」
MSD 株式会社 メディカルアフェアーズ カスタマーサポートセンター
日本製薬医学会メディカルアフェアーズ部会
森次 幸男 先生
閉会の挨拶
くすり相談委員会
中沢 敏之 委員長


 くすり相談委員会の年に1度の全体研修会は台風15号及び19号による影響が残るにも関わらず33社56名にご参加頂きました。
 最初に、5年ごとに行っている、くすり相談窓口のアンケートの集計結果をくすり相談委員会の曽部委員に、後発医薬品のインタビューフォームの作成の手引きの概要・進捗状況について安全性委員会の浅田委員にご報告頂きました。続いて、本年度から製薬協でメディカルアフェアーズ(MA)部会が立ち上げられ、医療用医薬品の販売情報提供活動のガイドライン(GL)の適用により、ジェネリック医薬品(GE)においても営業とは切り離した情報提供が求められる時代になると考え、日本製薬医学会メディカルアフェアーズ部会から部会長の岩崎先生とくすり相談を担当されている森次先生にMAに関してご講演いただきました。
 くすり相談委員会では5年ごとにくすり相談窓口における状況調査を行っており、今回は2018年10月~11月にアンケートを実施し、39社よりご回答頂いた集計結果が報告されました(JGA-NEWSの2019年8月号で報告済み)。5年前の2014年と比較して相談件数が54,028件から今回62,977件と1.2倍の増加を示す一方で、苦情が833件から571件に、提案・要望が399件から198件にそれぞれ減少しており、今回のアンケート結果からGEに対する不満や抵抗感の減少傾向がみられていることが伺われました。資料請求・調査票の記入が6,654件から12,833件と倍増していることから、この5年間でGEへの採用・置換えが加速している状況も読み取れました。また、相談項目としては「品質等」の問い合わせが全体の28%と最も多く、その内容は「粉砕後の安定性試験」、「簡易懸濁試験」等であり、医療現場では一包化や経管投与など調剤・服薬のために薬剤師の先生方がこうした品質関連情報を必要とされている事が浮き彫りとなっております。
 医療用医薬品のインタビューフォームは、本年4月1日より実施が適用となった添付文書の新記載要領に対応し、日病薬が「医薬品インタビューフォームの記載要領2018」を策定しており、これに準拠して製薬協のファーマコビジランス(PV)部会作成の「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」が作成されています。後発医薬品のインタビューフォームにつきましても、これらの資料を参照して作成することになっていますが、GE固有の情報もあるためその記載等について考え方を示した「後発医薬品のインタビューフォームについて」の手引きを作成することになりました。今回は共同開発会社、承認申請時に提出していない安定性試験、溶出試験や生物学的同等性試験等の記載の留意点等が報告されました。現状では、当局から9/6に販売情報提供活動GLのQ&A(その3)が発出され、簡易懸濁、粉砕等の情報はインタビューフォームに記載することとなっていますが、その記載方法は現状では定まっておらず、日病薬の記載要領と製薬協の手引きが固定されてから、GEのIF作成の手引きも固定されるとのことでした。
 MAに関する講演では岩崎先生からその概要に関するご説明頂き、MAの使命は製品情報に科学的な信頼と価値を付与する事、医学・科学的な立場から戦略的に製品価値を最適化することで、販売促進ではないため、例え企業の不利益となる情報でも根拠に基づき正確に伝える必要があるとのことでした。
 今回の研修会はくすり相談委員から講演で触れていただきたい内容について事前に意見を募り、GE会社にMAは必要か、問合せ窓口は営業部門から切り離すべきか、今回のGLの影響等について、現在カスタマーサポート業務をされている森次先生にご講演頂きました。くすり相談室業務は、顧客と直接会話ができ、外部の変化を敏感に察知できる重要な業務であり、中立な立場で対応する事が必要な部署であることから、社内外に対して明確な根拠のある提案が行われている事からMA的な業務であるとのことでした。今後、多くの会社では信頼性・透明性・客観性の確保から、独立したMAの設置が必要となっており、MAは中立的であるためにも営業部門からは切り離すべきとのご意見でした。今回のGLでの適応外情報の取扱については、求めに応じて提供するが、誘導してはならない点に注意し、対応の記録は必ず残す必要があるとのことでした。
 最後に、ご報告及びご講演頂きました曽部委員、浅田委員、岩崎幸司先生並びに森次幸男先生には心より御礼申し上げます。

くすり相談委員会(前)副委員長 後藤 秀樹

 

PDFでご覧になる方はこちら