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月刊JGAニュース

編集後記  

 会社でストレスチェックを実施するようになって久しい。ネットで検索したところ「労働安全衛生法の一部を改正する法律」によって 2015 年 12 月 1 日に公布された制度らしい。
 この制度の目的は、セルフチェックを従業員に促すとともに、事業主が情報を提供したり、フォローを産業保健スタッフが行ったりすることによって、前もってメンタルヘルス不調のリスクを少なくすることだそうだ。また、最も重要なことは、メンタル疾患のうつ病などを早期に見つけることではなく、従業員自身がメンタル不調であると気づくことにあるらしい。
 確かに、知らず知らずのうちに無理を重ねてストレスを溜め込み、何かをきっかけにして暴れだしたり、塞ぎ込んだりしてしまうという話はよく耳にする。そのまま長期的な療養が必要となるケースも珍しくない。これを事前に防ぐ手立てとして、メンタルヘルス不調であることを自身で認識することが有効なのだろう。
 こういった話になると決まって諸先輩方の若かりし頃はどうだったという話に展開しがちだが、気分( 感情 ) 障害をもつ患者の分布としては 40 代や 50 代がもっとも多いようだ。もっとも統合失調症となると 20 代前後がピークらしい。気分障害と統合失調症をストレスと結び付けてひとつに論ずるつもりはないが、メンタルヘルス不調はどの世代にも起こりうると認識して間違いないだろう。
 ストレスを解消するには、その要因となる問題を解決することが唯一の道であろう。しかし、それは容易ではないケースが多く、例えそれが解決できたとしても、新たなストレス要因が発生してしまうものである。つまり、生きている以上は常にいくつかのストレスを抱えていかなくてはならない。だからこそ、一時であれストレスから解放される方法をもつ必要があるのではないか。
 もっとも、ストレス発散目的で始めた趣味がうまくいかずにストレスに感じてしまうこともあるのだろうが、そこはうまく付き合っていくように心がけたい。私はその辺りを考慮し、音楽鑑賞や美術館巡りなど、人間関係や、自身のスキルを必要としないものを趣味としている。本音を漏らせば、よき理解者が身近にいてほしいものである。みなさんはいかがだろうか。

(J.T)
 

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