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月刊JGAニュース

小児科領域におけるジェネリック医薬品の使用促進への当社の取り組み  

高田製薬株式会社

 高田製薬は、1895 年の創業以来120 年以上にわたり、研究開発型企業として独創的な製品を開発し、高品質の製品を適正に供給することにより、人々の健康に貢献することを経営理念に掲げてきました。特に、小児適応を持つ医薬品にこそ、服薬アドヒアランスを向上させる工夫が必要と考え、小児用医薬品の製剤工夫に40年以上取り組んでまいりました。


  ジェネリック医薬品の特徴の一つとして、製剤工夫が挙げられます。患者様や医療関係者の利便性を向上させる工夫、安全性を向上させる工夫などがありますが、服薬アドヒアランスを向上させる工夫もそのひとつです。医療関係者を通して患者様からの声を伺いますと、お子様が薬を服用しやすいよう苦みをなくして欲しい、もっと飲みやすくして欲しいなど、服薬アドヒアランス向上への要望が多く聞こえてきます。当社が最初に開発した小児用医薬品は、抗ヒスタミン剤のドライシロップで、主に抗生物質などの不安定な薬物の一部でしか販売されていなかったドライシロップを初めて抗ヒスタミン剤として開発したのが始まりです。このドライシロップは、服薬アドヒアランスを考慮した特徴を最も出しやすい剤形のひとつと考えており、その後も呼吸器・アレルギー疾患領域や抗生物質など小児に多く用いられる医薬品を中心に継続的にドライシロップの開発を進めております。


  2020 年9月までに、ジェネリック医薬品の使用割合を80%とする目標の中、小児科領域におきましては、成人適応の医薬品に比べてジェネリック医薬品への置き換えが進んでいないという現状が、保険者様の分析データ等で示されております。大切なお子様への医薬品の使用に保護者の方々が慎重な姿勢でおられることや、各自治体によって様々な小児医療費を助成する制度が施されており、自己負担が軽減されていることがその理由の一端にあると考えられます。
  平成30年4月に厚生労働省が実施した「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」によると、
○ 全ての都道府県及び市区町村が小児等に係る医療費の援助を実施している。
○ 対象年齢は、都道府県では通院、入院ともに「就学前まで」が最も多く、市区町村では通院、入院ともに15歳年度末(中学卒業まで)が最も多いとの調査結果が出ております。
  未来を担う子供達の健やかな成長を社会全体で支援する取り組みの中で、服用が必要なお子様が確実に服用できるよう、慢性疾患により毎日の服薬が必要なお子様が少しでも楽に服薬できるよう、またお子様の不調に心を痛めている保護者の方々が少しでも安心してお子様に投薬できるように、当社はジェネリック医薬品メーカーとして、今後も付加価値の高い製品の開発、情報の提供を行い、小児科領域におけるジェネリック医薬品の使用を促進することで、小児等に係る医療費を援助する自治体の財政改善にも貢献できるのではないかと考えております。


  2020年3 月に、湘南ヘルスイノベーションパークにメンバーシップ会員として参画しました。当パークは希少疾患を重点分野のひとつに掲げており、これまで当社が培ってきた製剤技術・生産技術を生かし、他の会員会社と提携することで、より一層の医薬品業界、ジェネリック医薬品業界、ひいては人々の健康への貢献を追求していきたいと考えております。

 

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