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月刊JGAニュース

編集後記  

 高校生の頃、私立探偵を目指していた私は推理力を磨こうと、アガサ・クリスティーの小説をひたすら読んでいた。その時以来だろうか、『死が最後にやってくる』を久しぶりに読んだ。
 舞台は古代エジプト、ある出来事がきっかけで家族が少しずつ変わり始め、連続殺人事件へと発展していく。しかし本当は何も誰も変わっておらず、災いともいうべき出来事により、隠されていた本質が明らかになっただけなのである。
 現在、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスは、私たちの生活や価値観を大きく変えた。世の中が平和だった頃には見えなかったものも、沢山見えるようになったのではないだろうか。私自身も、今まで見えなかったもの、見ようとしなかったものを沢山見せていただいているように感じる。それと同時に、自分がどう生きたいか、何を大切にし、何を優先したいかについても、沢山考えさせられているように感じる。
 そうは言っても、個人的には面白くないと感じてしまうような出来事が続き、なかなか思うように進めず、日々悶々としている。しかし、どんなに面白くない出来事でも、探してみればそこには必ず学びがある。小さくてもその欠片を集め、感謝して自分の力に変えていきたいと思う。正しく恐れて、可能な限り自衛することを忘れずに、自分の目指す未来に向かって歩いていきたい。

(M.K.)
 

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