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月刊JGAニュース

伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社  

 GE薬協の皆様、賛助会員の伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社です。
 弊社は伊藤忠商事株式会社の中核事業会社で、医薬品・化学品に特化した専門商社です。8回目の“賛助会員から”への寄稿となり、改めまして弊社の歴史及び取り組みを紹介させて頂きたいと思います。
 弊社は2000年にジェネリック医薬品(以下GE)業界に参入しました。当時はGEの認知度が低いものの、医療費削減において薬剤費を抑えるGE拡大は必要不可欠と判断し、生活習慣病等のプライマリケア領域におけるGE原薬の輸入を中心に活動を始めました。2005年の旧薬事法改正と同時期に医薬事業部の前身である伊藤忠テクノケミカル株式会社が伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社と合併し、新生伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社が誕生しました。その際、GE原薬への細かな品質及び納期対応を実現するべく東京本社と埼玉県に製造所を設置、更に、BCPの観点から兵庫県に第3の製造所を設置し、現在に至るまで活動を続けております。
 2008年から抗生物質、抗がん剤専門チームを立ち上げ、日本国内では限られている製造サイトを海外に広げるよう検討を進め、高品質かつ低価格な製品開発を考える製薬企業様と共に製剤輸入事業を積極的に進めて参りました。
 翌2009年には高度医療機器、2011年に新薬の製造サポートに関する新たな取り組みを開始しました。そして、新薬事業については、今まで培った経験とノウハウを活かし、有望な製品開発を先行して取り組むベンチャー企業様との新たな分野への挑戦の結果、薬価収載に至り、高度管理医療機器については今年、承認を取得致しました。
 そして、2017年バイオ医薬品は治療方法がなかった医療領域で患者様に希望の光を与え、総薬剤費の膨張を抑える為にGEと同様にバイオシミラーが認知され使用されるべきと判断し、その開発に参画しました。また、2018年には輸出事業として取り組んでいた世界最大の医薬品市場である米国へ悲願の進出を果たしました。更に新たな取り組みとして最後にご紹介するのが、再生医療分野においてのアカデミアとの連携です。アカデミア発の技術を引き継ぐバイオベンチャーへの投資などを通じ、再生医療分野の発展に貢献していく考えです。
 さて、日本におけるGEの普及が急速に進んだ事による環境変化の中、弊社は皆様のご協力を得てこのような新たな取り組みを積極果敢に進めております。
 現在のGE市場を俯瞰しますと、中国中部の湖北省武漢から世界に蔓延した新型コロナウイルスの影響により、サプライチェーンの分断が挙げられるかと思います。世界が中間体、原薬及び製剤の製造リードタイムの増加と輸送網寸断に苦しみ、各国が海外からの渡航者の入国制限や入国後の行動制限による自国優先の政策を取っております。一方、経済産業省の国内投資事業補助金があると言っても11倍の競争率となるなど、原料製造の国内回帰も容易でないものと感じております。
 このような状況下、弊社は伊藤忠グループのネットワークを駆使し、海外サプライヤーと今まで培った信頼関係をベースに密なコミュニケーションを取る事で、各原料及び製剤の状態を把握して、各取引先様へ的確な情報提供を行う事で、さらなる品質確保と安定供給に努めております。そして、緊急事態宣言後、拡散防止と従業員の安全確保の観点から在宅勤務を進め、サプライチェーンマネジメントを構築し、仕事の質を落とさぬよう日々、邁進しております。
 プライマリケア医薬品から抗生物質、抗がん剤、製剤輸出、医療機器、新薬開発、バイオ医薬品、そして再生医療までを担う一員として、皆様と一緒になって日本の医薬品産業の発展に貢献していきたいと考えております。
 変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

 

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