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月刊JGAニュース

株式会社陽進堂  

 昨年初頭から新型コロナウィルス感染症が世界中で猛威を振るい、感染者数は全世界で8000万人を超えました(令和3年1月時点)。日本でも著名な方々が亡くなり、全国に緊急事態宣言が発出されたことは記憶に新しいところです。本感染症も夏過ぎに一度収束に向かったかと思われましたが、昨年末から第三波が襲来し、いまだ感染者数は増加傾向にあります。気を緩めることなく、今まで以上に予防に努めなければいけません。一方、世界が大きな変化に直面する中、我が国は新たな時代を見据え、未来を先取りする社会変化に取り組むことが骨太方針2020に謳われております。弊社におきましても、働き方を見直すなど、新たな日常の実現を目指し、社員一丸となって取り組んでいきたいと考えております。

 弊社では2021年の年始式で、『なぜ』を徹底することを確認し合いました。
 昨年は、医薬品の品質問題で複数の回収がありました。中には死者を含む健康被害を発生させてしまった事故もありました。本来、生命活動を維持するために使用される医薬品が、生命に危機をもたらすといった医薬品メーカーにおいて絶対あってはならない深刻な事故でした。一度失った信頼は簡単には回復できません。だからこそ、今、本件を対岸の火事として捉えず、自らの足元をしっかりと見つめ、絶対に今回のような問題を起こさないという強い決意が必要であると考えております。弊社でも、本件の情報を入手後、すぐにリスクアセスメントを行いました。しかし、基本的には働く人の意識の問題であると考えます。
 1994年に薬事法(現薬機法)が改正され、GMP省令に適合することが製造業の許可要件となりました。製造所ごとに空調管理、動線管理、服装基準を規定し、品目ごとにプロセスバリデーション、洗浄バリデーション等の手順を定め基準化することになりました。これらは医薬品の特性上、恒常的に一定品質の医薬品を交差汚染なく作るためのルールであります。このルールを守ることは当然のこと、『なぜ』そのようなルールになっているのかをしっかりと理解していないと、大きなミスが発生するリスクが高まってしまうと考えます。また、ルールの『なぜ』を理解することで、初めてルールをより良いものに改訂する提案につながると考えます。実際に作業を行う社員一人一人が『なぜ』を理解し、更なる徹底した品質管理、合理的な生産活動を推進していきます。

 弊社はジェネリック医薬品に加え、輸液・透析やバイオシミラーを事業展開しており、企業理念として、これら3つの事業を通じた「なくてはならない製薬企業」を掲げております。社会、業界において様々な課題が提示されている今、全社をあげ百折不撓の精神でこの大事な局面を乗り越え、「なくてはならない製薬企業」を目指していきます。

 

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