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月刊JGAニュース

編集後記  

 いろいろと物議をかもした東京五輪がついに開催される(7/20〆切時点)。COVID-19のパンデミックにより1年間の延期を余儀なくされ、五輪に人生を懸けていた選手にとっては、運命が変わってしまったかもしれない。この1年で体力・技術が向上した人もいれば、年齢のため衰える人もいる。病気になった人もいれば、回復した人もいる。それこそCOVID-19に感染して、絶好調ではない選手もいるだろう。それは人間がやることなので、何が起こるかわからない。COVID-19の影響がなくても、その日の体調や天候で結果が大きく変わってくる。まさしく運を味方につけた者が勝利を掴み取る事ができるのであろう。


 運とはいったい何だろう。地震、台風、集中豪雨と日本という島国は多くの環境リスクを抱えており、大津波や土石流といった想像を絶する災害もある。普通に生活していても交通事故や火災に巻き込まれることがある。命が助かった人はたまたまかもしれないが、最低限のリスク回避能力が働いていたとも考えられる。この道はガードレールがないから別の道を歩こうとか、川の近くは氾濫の危険があるからできるだけ離れた所に住もうとか、運の良い人とは知らず知らずのうちに命を守る可能性の高い方を選択した結果の積み重ねにより、リスク管理力を身に着けている人かもしれない。


 それでも紙一重で難を逃れたという話もよく聞く。虫の知らせとか、普段の心がけが良いとか、そんなことをしたらお天道様に叱られるとか、良い守護霊が憑いているとか、かなりオカルトチックになるがリスク管理では説明できないことがあるのは確かである。「一日一善」という言葉があるが、高校野球の名門校でも率先してトイレ掃除をしたり、ボランティア活動を行うところもある。正しい行動は面倒なことが多いが、やり遂げた時の満足感があり、見ている方も清々しい気持ちになる。そういった人には良い運気が回ってきそうな気がしてならない。


 大リーグでも二刀流で大活躍の大谷選手は日本人初のホームラン王の可能性があり、投手としても160km/hを投げ、野球の才能に溢れている。一方で、折れたバットを拾ったり、グランドのゴミを拾ったりする善行も報道されており、実力に加えて良い運気を身に着けている大谷選手はもう最強です。我々医薬品メーカーに従事する者は、病で苦しんでいる人を救いたいという社会奉仕の精神が根底にあると信じている。会社は存続のためには利益を出し続けねばならないが、その精神を守るために正しい行動をとることを優先しないと運も尽きてしまう。
 被災された方やCOVID-19に感染された方々には心よりお見舞い申し上げます。お盆も近づき、ご先祖様には今日も健康に生きている幸運を報告し、ご先祖様の善行に我々が護られていることに感謝して合掌。五輪選手の皆さんに勝利の女神が微笑むよう「一日一善」に励みます。公園の空き缶をゴミ箱に入れて、頑張れ!!ニッポン!!

(2021 年 7 月 20 日 H.G)
 

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