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月刊JGAニュース

編集後記  

 2022年もあっという間に3ヵ月が過ぎ去り、新年度が始まった。
 今年は甥っ子が小学生になることもあり、ふと地元のことを思い出した。
 気づけば新型コロナの影響で2年半近く滋賀の実家に帰っていない。年に3~4回当たり前のように帰省していた時には自分の生まれ故郷を改めて思い出すことなどほとんどなかったが、さすがにこれだけ長い期間が空くと懐かしさを覚える。
 私が育った町は、西に比叡山、東に琵琶湖を望む場所に位置する。家を出て10分も歩けば湖畔にたどり着き、子どもの頃から当然のように琵琶湖を見てきた私は、恥ずかしながら物心つくまで白波の立つこの湖を本気で海だと思っていた。

 さて、そんな琵琶湖には「琵琶湖八景」「近江八景」なるものが存在する。
「琵琶湖八景」が昭和25(1950)年に琵琶湖全体に広がる雄大さと変化に富んだ風景を紹介するために県民の公募で選定されたのに対し、「近江八景」は約500年前の室町時代に、中国湖南省にある洞庭湖の八景にちなんで関白近衛政家が選んだと伝えられている。それが、浮世絵師の歌川(安藤)広重の風景画により広く知られるようになったそうである。
 その近江八景のひとつに『唐崎の夜雨』“唐崎神社の松の古木に夜の雨が降り注ぐ情景”を示したものがある。冒頭に家を出て10分も歩けば湖畔にたどり着くと申し上げたが、この唐崎神社がまさにその場所で、境内からは立派な唐崎の松と対岸に近江富士(三上山)を望むことができ、お祭りなどの行事の時以外は観光客が少ないこともあって(苦笑)静かな中で本当に素晴らしい景色を堪能できる。もう随分長い間訪れてないが、思い出の景色は当時のまま残っているであろうか。
 そして、楽しみは景色だけではない。唐崎神社の近くには、「近江のみたらし団子」と銘打ったお団子屋さんがある。実は唐崎神社は、みたらし団子発祥の地という一説もあり(京都の下鴨神社が発祥という説の方が有名ではあるが…)、このお店のみたらし団子のおいしさは忘れられない。私も弟も子どもの頃から大好きな味である。

 JGAニュースの編集後記担当になると、いつも何を書こうか非常に悩む。
 このたび、数年間務めてきた広報委員を交代することになり、今回が最後の編集後記となった。委員会活動への思いと感謝の気持ちを込めた気の利いた文章を残そうと意気込んではみたものの、そもそも書くことが苦手な私に身の丈以上のことができるわけがない。そんな中、完成した話の落ちは“みたらし団子”(笑)。まぁ、これも花より団子の私らしくてよいかなと感じている。

 委員会活動を通じて多くのことを学ばせていただき、また、かけがえのない人間関係を築くことができた。至らぬ点も多々あった私をご指導くださった関係者のみなさまに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

(Y.M)

< 参考 >
滋賀県ホームページ(https://www.pref.shiga.lg.jp/)より
琵琶湖八景・近江八景 https://www.pref.shiga.lg.jp/kengai/interview/22105.html
琵琶湖ハンドブック三訂版 
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/biwako/11346.html#3
唐崎神社ホームページ http://hiyoshitaisha.jp/karasaki/

 

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