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月刊JGAニュース

編集後記  

 私事ですが、2月に母が急逝しました。
 亡くなる前日は元気に木嶋真優さんのバイオリンを一緒に聴きに出かけ、私も隣で気持ち良くうとうと…。
帰りにスーパーで買い物を済ませたら、少し胸が痛いとのことで、早々にベッドに入りました。翌朝、ロコソラーレが逆転勝ちしたとか藤井聡太君が史上最年少で五冠を達成した世間話をしていたのに、1時間後には急性心不全で帰らぬ人に…。
 毎日、日経新聞を隅から隅まで読み、般若心経を1日1枚書き(計3,285枚)、相撲はBSで放送が始まる時間から星取表を片手に観戦し、中日ドラゴンズの戦いぶりに一喜一憂し、ボケもせず背筋もしゃんとしていたスーパー 90歳。老健施設やデイケアのお世話になることもなく、まさにピンピンコロリのお手本のような潔さ、70代の10年間は日フィルと第九を合唱し、まさに「ブラボー!」と声をかけたくなるような人生でした。
 昭和~平成~令和の世を「戦争(太平洋戦争)」、「天災(伊勢湾台風)」、「病気(大腸がん)」と幾多の困難を乗り越えて、それでも、われわれ家族を何不自由なく育て、支えてくれた母に感謝しかありません。世界から見ればたった一人の死に過ぎませんが、身内にとっては大きな大切な命でした。
 コロナウイルスで落とす命、ウクライナで爆撃により落とす命、かけがえのない命の重さはどれも同じです。その命を失った私と同じ悲しみが世界中で広がっています。病で命を落とすことがないように確かな品質の治療薬を製造し、安定して供給することが我々の製薬メーカーの使命ですが、十分に供給できないことは非常に残念でなりません。目の前に患者さんがいる現場を想像すると、心苦しい限りです。しかしながら、製造設備、マンパワー及び原材料の調達にも限界があり、急激に大幅な増産をすることは困難であることをご理解頂きたいと存じます。
 誰もが何の不安もなく日常を過ごせることが平和というのであれば、1日も早くその日が訪れることを祈らずにはいられません。毎日、仏壇に水とおぼくさんをお供えし、線香を焚いて手を合わせることが習慣になりました。
 今日も「世界が平和になりますように」と合掌。

(2022年5月18日 H.G)
 

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