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月刊JGAニュース

「量」と「質」の考え方  

 コロナ禍で生活が一変した。この数年出張もほとんどなくなり、もっぱら先生方とお会いするのはオンライン。幸いにも在宅勤務であってもコロナ前と同様に職務を遂行できていることに感謝したい。
 思い返せば、私のような家庭を持つ女性は、仕事・家事・子育てといくつもの役割をこなすことに追われ、その切り替えに追いつかない状態が続くと、大事なことでも忘れてしまったり、記憶から抜け落ち同じものを購入しては家が片付かなかったり、ほんの一瞬心をなくしてしまったことで様々な支障が出ていた。在宅勤務中は天気の良い日は洗濯物を外に干すことができ、突然の雨でもこれまでのように濡れた洗濯物を帰宅後に洗いなおす無駄もなくなった。そしてなんと言っても朝の通勤ラッシュを皮切りに時間に追われた生活リズムも緩和され気持ちにも余裕が生まれた。
 平穏な気持ちや時間的余裕は仕事面にも非常に有効に活用できていると感じている。
 これまでのように仕事をがむしゃらにこなすことより、いかに効率よく取り組み、結果に反映、人のために貢献できたかといった「量より質」を重きにおいた考え方もできる。
 私が考えるビジネスにおける「量より質」は相手の存在がある場合は、「量」を重視した情報提供を行っても相手が求めている情報とかけ離れていると最終的には貢献度は低くなってしまうと考える。質を重視するつまり「相手のニーズ」を読み取り、「価値ある情報」にいつも心がけ情報を収集すること、そして、どうやったら相手の心に響く言葉で伝えられるか、このことは今の時代だからこそ、非常に重要なことだと感じている。
 一方、「質より量」も大切なことだと思う。私の考える「量」はルーチンワーク的な発想ではなく、自分の力で考え試行錯誤し見出したupdateされた実務を大量にこなすことである。プロセスから得た自己特有のインプット型の生きた情報源は、相手が知りたいことや相手の気持ちを知ること、その場の空気を読むことを知るすべにもなると考える。特定の業務や時代背景に捉われない物事・課題を汗水流して苦労して解決してきた経験は生きていくためにも必要不可欠であると考える。
 これからの時代は「人も企業も選ばれる時代」である。ジェネリック医薬品業界も一連の不祥事や供給問題から端を発し、ジェネリックの製品選定は、もはや企業規模の大小ではなく、製品そのものの価値、企業姿勢等の中身を見極めた上で厳選される時代に入っている。
 人の為、世の為にジェネリック企業やその企業で働く人たちは何をしてくれるのか、どんな存在価値を見出してくれるのかと期待されているところでもあり、またその反面、厳しい目を向けられていることも忘れてはいけないと思う。

(K.M)
 

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