EN

月刊JGAニュース

委員会活動報告  

「患者団体との協働に関するガイドライン」および「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」の策定について

 COP委員会では新たに「患者団体との協働に関するガイドライン」および「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」を策定いたしました。

 

【策定経緯】
 2018年に日本(東京)で開催されたAPECビジネス・エシックス・フォーラムにおいて、患者団体、政府、医療界、製薬産業および医療機器産業の団体は「日本における倫理的提携のためのコンセンサス・フレームワーク」のなかで、透明性の確保と説明責任を推進することを宣言しました。
 このような状況を踏まえ、日本ジェネリック製薬協会は患者団体に提供している金銭的支援等について一定のルールの下に情報を開示することで、一層の透明性を確保し、その活動が高い倫理性を担保したうえで患者団体の活動・発展に寄与する誠実な活動であることについて広く理解を得る必要性があると考え、本ガイドラインを策定しました。

 

【内容・ポイント】
・寄附金、賛助会費、広告費、講演料、原稿執筆料、労務提供などについて、その内容を公開する。
・本ガイドラインを参考に自社のガイドラインを策定する。
・本ガイドラインは2023年度分の資金提供等から適用する。
・自社ウェブサイト等を通じ、前年度分の資金提供等について決算発表後に公開する。
・本ガイドラインの配布用印刷物は作成しない。
・GE薬協コード・オブ・プラクティスも本ガイドラインを反映し改定する。

 

 ※当該ガイドラインにつきましては、以下のリンクからご確認ください。
 https://www.jga.gr.jp/stance.html


コード・オブ・プラクティス(COP)委員会研修会

開催日時:2023年2月21日(火)14:00~16:00
場  所:CIVI研修センター日本橋
開催形式:オンラインとのハイブリッド
参 加 者:34社 現地参加8名 Web参加85回線

<講演内容>

第1講演:「資材関連Q&Aの整理統合と資材作成に関する留意点」
演  者:COP委員会 副委員長 鳥居 俊司 氏
要  旨:製品情報概要などのプロモーション用資材を適正に作成するために遵守すべき規制の中で、日本製薬工業協会(製薬協)の「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」および、GE薬協の「ジェネリック医薬品における製品情報概要等 作成上の留意点」について概説した。次に、これまで公開されていた59件の資材関連のQ&Aについて、今般全面的に見直し整理統合を行ったが、その際の考え方および概要を紹介した。従来のQ&Aから考え方を変えた部分として、PTPに「〇〇の薬」等の表示がされた製剤写真の品名広告への掲載は、製品に関する文言の記載はできないとする「製薬協作成要領」の主旨から不可とした。また、プロモーション資材への先発品の外形(外観)、識別コードの記載については、現状では不可とするが、今後の検討課題と位置付けた。さらに、後発品の資材作成に関する留意点について解説した。

特別講演:「公正競争規約の役割」
演  者:医療用医薬品製造販売業公正取引協議会 専務理事 寺川 祐一 氏
要  旨:「景品表示法と公正競争規約」「公正競争規約の役割」として、規約違反行為を排除するため、公正取引協議会は強い権限を持って会員会社を調査できることや、会員会社の「調査への全面的協力」を通じて円滑に規約を運用し続けており、これにより、当業界における公正な競争の確保を実現してきている。
 次に、主な公正競争規約違反事例として、本部措置事例では自社医薬品を積極的に使用することを条件として奨学寄附金を提供した事例、支部措置事例では2年間にわたっ
て得意先医師のゴルフバッグをゴルフ場に配送代行した事例などが示された。また、「説明会での弁当提供に関連する規約違反防止のための留意点」として、社内で日頃から注意喚起することや違反行為を正直に報告できる環境が重要である。
 最後に、公正取引協議会の最近の取り組みとして、自社医薬品の講演会等に関する基準の解説改定や「肩代わり」の規定見直しの説明があった。

 会員各社におかれては、今後も「GE薬協コード・オブ・プラクティス」はもとより「ジェネリック医薬品における製品情報概要等作成上の留意点」、「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」に則した資材作成や、公正競争規約の遵守徹底により違反の未然防止をよろしくお願い致します。

 


倫理委員会全体会議講演会報告

日 時:2023年3月14日(火)13:00~14:10
形 式:オンライン
開会挨拶:日本ジェネリック製薬協会 会長 高田 浩樹 氏
演 題:信頼確保のための法令遵守体制の整備~実際の製薬会社危機管理案件も踏まえて~
演 者:犬塚 有理沙 氏(西村あさひ法律事務所 パートナー弁護士)
参 加 者:35社より87名

概 要:
 本講演会では、会員会社35社より代表者、経営幹部、コンプライアンス担当役員、コンプライアンス担当者など87名の皆様にご参加いただきました。
 高田会長の開会挨拶に続き、西村あさひ法律事務所の犬塚 有理沙先生に「信頼確保のための法令遵守体制の整備」と題してご講演をいただきました。
 講演では、まず薬機法に基づく法令遵守体制について、法令遵守体制に関する法改正の全体像、法制化の経緯、法令遵守体制構築義務などを説明いただきました。
 続いて、実際の製薬会社の危機管理案件の具体例を紹介いただきました。これらのコンプライアンス違反の背後には、総括製造販売責任者等の職位、手順書・ルール、変更・逸脱管理、人的・物的リソース、生産能力・生産計画、人事制度、管理職・監督部門、社内教育、意識・カルチャーなど問題は多岐にわたり構造的問題が存在していたことを解説いただきました。またそれぞれの問題に対処するための具体的な対策法についてもご提示いただきました。その後、質疑応答が行われました。
 今回の研修会では、コンプライアンス全般にわたり法令を遵守し押さえるべき点を含め改めて再確認することができました。
 協会として、コンプライアンス・ガバナンス・リスクマネジメントに関わる取り組みを今後も一層充実させ継続的に実施し、運用の徹底を行ってまいります。

 

PDFでご覧になる方はこちら