会長就任挨拶
日新製薬株式会社 代表取締役社長 川俣 知己
この度、日本ジェネリック製薬協会の会長を務めることになりました日新製薬株式会社代表取締役社長を務めております川俣知己と申します。
私は、今までの歴代の会長の方々と違い、サラリーマンとして業界に身を置く立場でした。ジェネリック製薬協会の活動にも30年以上かかわり、2007年に後発医薬品の使用促進が提起された時には、品質委員会の委員長を務めておりました。また、その時点で、GE薬協に信頼性向上プロジェクトが立ち上がりましたので、品質担当リーダーとしても長く活動してきました。この間、品質情報検討会、固形製剤の品質再評価や規格揃え、一般名称化、2015年の化血研に端を発した承認書の一斉点検など、ジェネリックの信頼性向上に関する全てのターニングポイントにかかわりました。
こうした取組みにより、ジェネリック医薬品の信頼性問題は過去と決別すべく向上し、市場シェア目標を達成出来た訳ですが、2020年からの一連の不祥事により、振り出しに戻ってしまいかねない状況となっていることは、これらに中心的に関わってきた者として極めて残念なことと思います。
これまで、GE薬協は不祥事の再発防止に向けて製造管理、品質管理の強化、コンプライアンス・ガバナンス・リスクマネジメントの再整備に力を入れて活動してきました。また供給停止となった医薬品の補償生産についても日薬連も含めて業界団体として生産調整に取り組む方針としましたが、独禁法上の懸念から断念した経緯がありました。
しかしながら、現在のジェネリック医薬品業界に求められている喫緊の課題は、供給不足の解消です。新規の設備投資や工場買収を行い、生産能力の向上を図っておられる企業もありますが、最大の問題点は、これらを稼働させる人員の確保です。これらが充足されなければ、新しい設備も稼働しません。従って、緊急的に生産量を増強するためには、如何に効率的に生産をするかにかかっています。
今後、GE薬協として、ジェネリック医薬品産業に求められている産業構造のあり方についても議論を進め、社会に評価される産業を目指す方策を検討したいと思います。第一弾として具体的には、各企業における品目の集約や効率化による生産能力の向上に役立つ取り組みや、効率的な従業員教育など、皆様のお知恵を拝借しながら支援出来るようにして参りたいと考えております。
最後に、私共日新製薬は、山形の片田舎の小規模な企業です。協会活動を行うためには、田舎から時間をかけて上京する必要があり、更に何十人も派遣できる人的資産を持ち合わせておりません。これまで、GE薬協の会長職を担ってこられた皆様は、その企業を中心に献身的な協力によって支えてこられましたが、これからは、副会長、理事会社をはじめ会員企業皆様のご協力を仰ぎたいと思っております。皆様の企業の方々のご協力無くして、協会運営はままならないものと思いますので、今まで以上に皆様の協会活動へのご協力をお願い致します。