If・・・タラレバ
「もしあの時こうだったら」「もしあの時こうしていれば」という「タラレバ」はよくある話。自分事でなくても、スポーツや様々な事でこういった話になるのはよくあるのではないか。
歴史小説が好きで、様々な国や時代の小説を読んできた。まぁ、歴史自体、事実関係が不明瞭なことが多いので、作者の脳内で種々補完されたストーリーになるのではあるが、その中でも通説とされているものを覆すのが「if小説」だと思う。
例えば、1990年初版発行の童門冬ニ氏作の「信長の野望」。これは同名の歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」を発売している光栄からの出版である。少しネタバレを含むが、信長が本能寺の変で死なず、九州・博多に潜伏し、、、、というものである。子供ながらに、最後の登場シーンは鳥肌が立ったのを覚えている。その他、「花の慶次」の原作で有名な1989年発刊の隆慶一郎作の「影武者 徳川家康」もおもしろい。徳川家康が関ケ原の合戦開始直後に暗殺され、そこから・・・という内容で、非常に読みごたえがある小説である。
少し毛色を変えると、最新のガンダムアニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」(ジークアクス)か。現時点で放映されているアニメであり、諸氏それぞれの解釈があるので相違がある場合はご容赦いただきたい。内容としては、ファーストガンダムのパラレルワールドの位置づけと認識しているが、ファーストガンダムで連邦軍が勝利せず、ジオン軍が勝利した世界線である。ガンダムのフォルムもこれまでのものとは違い、従来の宇宙世紀シリーズと思って見ると違和感があるかもしれない。第9話で元のガンダムでも登場した主人公・ライバルにかかわりが深い、人気も高い女性が登場するが、ここでパラレルワールドの認識やパラレルワールド間の関与などが示唆される場面がある。この部分の内容で、諸氏様々なご意見があることは認識しているところである。
一方で、「タラレバ」の話を好まない方々がおられるのも事実である。筆者の周りでも、「言っても結果は変わらない、意味がない」といったご意見をいただくこともある。もちろん、そのとおりなのではあるが、対象が何か、にもよると思う。スポーツなどの結果が出てしまったものに対しては比較的理解しやすい。結果論、言っても仕方ない、ということだろう。理解はするが、それでも筆者はそんな話をしてしまう。歴史等に関しては、タラレバの話に想いを馳せ、楽しむことは悪いことではないと思う。
一方で、自分自身の行動については、なかなか厳しい。「あ~、あの時こうしていれば」と考えてしまう。しかし、過去の選択を悔やむのではなく、今の瞬間に最善を尽くすことが未来を切り開く鍵となる。日々の「タラレバ」に向き合いながら、後に活かせるよう前向き捉え、単なる後悔で終わらないようにしたいものである。