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月刊JGAニュース

田植え  

 少し前の話だが、GWに帰省をし実家の田植えを手伝ってきた。私の故郷は茨城県の北の方で、まさに北関東の田舎町。実家は、専業ではないがお米を作って、家族の食べる分は自給自足で生活している。最近は令和の米騒動なんて言われ、毎日のようにお米の値段がいくらかとニュースをやっているが、私は今までお米を買ったことなく、5kg4000円もするんだ~と改めてお米の値段に驚かされた。
 子供のころは、毎年手伝え!と軽トラの荷台に乗せられ、田植えの手伝いでGWがつぶれることが当たり前。ダラダラして過ごしたいのに、といつもイヤイヤ手伝っていたのを思い出す。高校を卒業後は一人暮らしを始め茨城を離れたので、20年以上ぶりに田植えを手伝うことになる。なぜ、今年は手伝うことになったかというと、理由は2つ。①小学6年生の娘にも一度は体験させないといけないと思ったから。②先の通り、令和の米騒動でお米の需要が上がっているんだから、ただで食べてないでお前も手伝えと父親に冗談めいた小言を言われたから。ここ最近妹夫婦に任せていたが久しぶりにやるかと渋々帰って手伝うことにした。
 私が子供のころは、田植えの主導(リーダー)は亡くなった祖父で、数か所ある田んぼを行き来しながら何日かに分けて行っていたが、最近は家から歩いて徒歩5分の一番近い田んぼだけを自分たちで行い、あとはJAの人に任せたり、休耕にしているようだった。そのため、田植えは1日のみ。しかもみんなでやれば半日で終わる!というのも今回参加した理由の一つだった。
 決戦は5月3日(土・祝)。その日はまさに田植え日和のすばらしい天気だった。朝起きて、全身を田舎の田植えスタイルに身をつつみ、田植え開始。私の任務は田植え機で植えた後の歯抜けになって植わっていない箇所に手で苗を植える作業。田んぼは泥なので、足を抜こうにも抜けずバランスを保つのが難しい。また常に中腰なので結構大変。絶対転ばないを目標に掲げ、何とか田植えを完遂することが出来た。
 改めて久しぶり田植えをやってみると、すごく清々しい気持ちになった。毎日電車に乗って東京のビルの中に勤めていると、虫の声、広い空、風の音、泥に触れる機会なんてほとんどない。久しぶりに自分の故郷の良さに気付かされた気がした。もちろん数日間は太ももの筋肉痛に悩まされたが・・・気持ちよく田植えを行い、リフレッシュすることができた。米作りは田植えだけではない。改めて毎年お米を作ってくれている家族には感謝しかない。今頃は稲に実ができてきた頃だろうか。秋の新米の時期が今から楽しみだ。

 

(M.N)