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月刊JGAニュース

浴衣を快適に粋に着るコツ  

夏といえば、お祭り。
お祭りと言えば、そう、浴衣です。

 連日続く猛暑を通り越した酷暑が続く中、お祭りの日になると浴衣姿の方を多く見かけるのではないでしょうか?浴衣はデザインも豊富でお子さんたちの色鮮やかな浴衣姿はとても目を引き、お祭りのワクワク感を見ているだけで味わえます。また、以前は男性向けのイメージが強かった甚平ですが今ではフリルが付いた物や、兵児帯(へこおび)を飾りで付けた女の子仕様もあり、浴衣に限らず様々な和の装いでお祭りに華を添えています。この暑い中、浴衣を着てくれるだけで着物好きとしては嬉しいのですが、稀に見かけるご年配の粋な浴衣姿を見かけると、これまた一層嬉しく、見惚れてしまうものです。若さ溢れるフレッシュな鮮やかさも素敵ですが、年を重ねた自分としては粋に着こなせる大人でありたいなと思います。

 さて、今回はお子さんに浴衣を着付ける際に気を付けたいポイントと、大人が粋に着こなすちょっとした裏技を自己流ではありますがご紹介したいと思います。

 まずはお子さま(特に小・中・高校生向け)に着付ける際に気を付けたいポイントです。浴衣の着付けは不慣れで本や動画を見ながら見様見真似という方が多いと思います。そのため色々とお伝えするより、これだけで浴衣が楽になる!というポイントを絞ってお伝えしたいと思います。
①ウエスト・くびれの補正は必ずしましょう!ハンドタオル(薄手)1)を巻き腰ひもか伊達締め(おススメ)で縛る、もしくは下記1)で紹介する紐付き和装補正タオルもおススメです。
②腰ひもや帯を締める時はお腹を膨らませてからきつく結びましょう!お腹だけでなく、胸とお腹両方に空気を入れて胸とお腹をパンパンに開くイメージで!
浴衣の最大の問題は着崩れです。特に普段着物を着ない方は着物の動きに不慣れで、自分で直すことも出来ないかと思います。お子さんは男女問わず体の線が細い方が多いため、①のようにタオルを一枚巻くことで着物に合う寸胴体形になり、着崩れが軽減します。多少暑いですが、汗も吸ってくれますし一石二鳥ですよ。また、着付けはきつく結ぶに限ります!ふんわり結ぶのは上級者のみ!不慣れならば着崩れないようにしっかりと結びましょう。ただ、途中で苦しくなってはせっかくのお祭りが台無しです。そのため、②のようにパンパンに膨らませてからきつーく縛ると苦しさもなく、屋台飯も堪能できます。力加減は難しいですが、膨らませていない状態で苦しい場合は締めすぎですので気をつけましょう。腰ひもには伸縮性のあるゴムタイプ物2)もありますので、浴衣セットに付属する腰ひもより、そういった着物用アイテムを活用するとより快適に過ごせるかと思います。

 続いて大人向け(女性)のポイントです。大人の粋な浴衣姿で一番重要なポイントは、断然“襟足”です。襟が詰まっていると非常に子供っぽく見えてしまいます。とはいえ、浴衣で襟を抜く(襟足、うなじを広く見せる)のは至難の業です。襟を抜く技は色々あると思いますが、どれも上級者向けでなかなか難しいのが実情です。そこで私がおススメしたいのは初心者でもワンアイテム足すだけで誰でも粋な襟足を演出できる「美容襟」「うそつき襟」3)と呼ばれるアイテムです。こちらは襟だけで袖や胴に生地がないアイテムとなり、多少のコツや慣れは必要ですが、襟を抜く幅を調節できるので、清楚にも艶やかにも様々な襟足を演出できます。私はさらにひと手間加え、美容襟に流水柄や花柄といった夏柄の半襟(飾り襟)を付け、ただ襟を抜くだけでなく、ワンポイントのお洒落アイテムとしても楽しんでいます。

 ひと昔前まで、“浴衣は寝間着だからみっともない”と言う方もいたようですが、今や浴衣は立派なお洒落着だと私は思います。着物と異なり、季節と柄、着物の格(かく)、小物のTPOなどなど・・・面倒なルールは必要ありません。色も柄も自由!下駄ではなくビーチサンダルやクロックスに合わせても、大振りのアクセサリーを付けたって良いんです。お祭りの気分も相まって、細かいことを言う方はそれこそ無粋だと思って気にしなければよいのです。浴衣は何より楽しいのが一番です。楽しく快適に着るために、ポイントを押さえて是非楽しんで頂ければと思います。

 

浴衣と半幅帯(浴衣用)コレクション

<参考・補足> ※金額は2025年8月時点の参考価格となります。
1)紐付き和装補正タオル
通販サイトで「紐付き和装補正タオル」と検索すると、2,000円前後で補正専用のタオルも購入可能です。また、「浴衣 補正パッド」で検索すると補正に特化したアイテムもあります。手近なお家のタオルでも代用可能ですが、便利アイテムを使うとより楽になります。
2)伸縮性のあるゴムタイプの腰ひも
通販サイトで「腰ひも ゴム」で検索すると1,000円未満から色々選べます。私のおススメは「ゴムベルトタイプ」。ワンタッチで長さ調節ができ、留め具で留めるので縛る必要もありません。苦しさも軽減してくれ、着付けも楽になりますよ。
3)「美容襟」「うそつき襟」
通販サイトで「浴衣 美容襟」「浴衣 うそつき 襟」で検索すると4,000円前後で販売されています。浴衣用に購入する際は「呂の生地」(夏用の生地)をお選び頂くと良いでしょう。

(K.S)