EN

月刊JGAニュース

患者向医薬品ガイド  

 「患者向医薬品ガイド」(以下ガイドという)は、患者の皆様や家族の方などに、医療用医薬品の正しい理解と、重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために提供するものです。したがって、医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関係者向けに作成されている添付文書を基に、わかりやすく記載しており、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Device Agency:以下PMDA)のホームページで公開されています。1)

 ガイドは、平成 13 年9月の「医薬品情報提供のあり方に関する懇談会」の最終報告2)における「製薬企業や行政等は医薬品に関する情報を医療関係者に適切に提供するとともに、患者や国民に対し、内容の分かり易さなど情報の質に十分配慮した上で、直接、情報を提供することが望まれ、医薬品に対する正しい知識の国民への普及啓発等に努めながら、患者への医薬品情報の提供を推進する観点から、患者向けの説明文書の具体的な内容や方法について速やかに検討を行い、必要な措置を講じていくべきである」旨の提言等を受けて、平成 18 年から添付文書に重篤な副作用の記載がある医薬品等の一部の医療用医薬品について作成されています。また、ワクチン製剤については、平成 26 年から、全てのワクチン製剤について「ワクチン接種を受ける人へのガイド」が作成されています。3)

 しかしながら、患者やその家族、医療関係者の認知度の低さ、ガイド以外の医薬品情報提供資材もある中での資材作成での負担軽減などの課題がある中で、ガイドの在り方については国立研究開発法人日本医療研究開発機構における研究及び日本製薬団体連合会のもとに設置された委員会において検討が進められ、その結果を踏まえ、令和6年3月 14 日付けでガイドの見直しを求める要望書(「患者向医療用医薬品情報提供に係る要望」)が厚生労働省医薬局医薬安全対策課長宛てに提出されています。その要望書を踏まえ、患者向け医薬品ガイド検討会にて、ガイドの位置づけや内容、提供方法並びにその他必要な事項について検討が行われています。

 今回、第6回検討会において、とりまとめが公表されました。今後の在り方において、作成対象品目としてはすべての医療用医薬品とされています。体裁としては原則A4判1~2枚程度の文量にまとめた版(必須版)と現在のガイドと同程度の内容を含む版(詳細版)の2部構成とすることが挙げられています。また、活用方法、認知度・アクセス向上についても検討されています。3)
 製薬企業にとって、今後対応が必要になってくるかもしれない事項です。まだご覧になられたことがない場合、ぜひ、PMDAのホームページにアクセスしてみてください。

 

1)PMDAホームページ 患者向医薬品ガイド
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/guide-for-patients/0001.html
2)医薬品情報提供のあり方に関する懇談会 最終報告(要旨)~医薬品総合情報ネットワークの構築に向けて~ 平成 13 年 9 月 27 日
https://www.mhlw.go.jp/shingi/0109/s0927-2.html
3)患者向け医薬品ガイド検討会 とりまとめ 令和7年8月8日
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/guide-for-patients/0002.pdf