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月刊JGAニュース

ジェネリック医薬品へのICHガイドラインの適用に関する説明会  

薬制委員会

開催日時:2025年(令和7年)11月19日(水) 15:00~16:30
開催形式:Microsoft Teamsのウェビナー形式によるライブ配信
配信サイト:日本ジェネリック製薬協会 第一会議室
参加者数:1,026名(ウェビナー登録参加者及び会場出席者)
開催プログラム:
1. 開会挨拶
日本ジェネリック製薬協会 理事長 河野 典厚 氏
2. ICHガイドライン適用によるジェネリック医薬品の将来展望について
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 執行役員(信頼性保証等部門担当)佐藤 淳子 様
3. 「後発医薬品等の承認申請」通知(案)について
厚生労働省 医薬局 医薬品審査管理課 課長補佐  宮坂 知幸 様
4. ジェネリック医薬品のICHガイドライン適用による今後の展望と審査に関する留意点について
独立行政法人医薬品医療機器総合機構ジェネリック医薬品等審査部 部長 髙木 和則 様
5. 閉会挨拶
日本製薬団体連合会 薬制委員会 委員長 宮本 恵司 氏

 

説明会概要
 医薬品規制調和国際会議(ICH) において検討・策定がなされている品質(Quality)、安全性(Safety)、有効性(Efficacy)及び共通する複合領域(Multidisciplinary)の各分野のガイドライン(以下「ICHガイドライン」という)は、日本においては主に新規有効成分含有医薬品(以下「新医薬品」という)の製造販売承認申請の新規申請や承認事項一部変更申請時の審査等において適用されています。

* JGAニュースNo.107(2017年3月号)「知っ得! 豆知識」-ICHとは- 参照

 このICHは、医薬品規制当局と製薬業界の代表者が協働して、医薬品規制に関するガイドラインを科学的・技術的な観点から検討・作成を行う国際会議であり、1990年の創設以来、国際化する医薬品の開発・規制・流通等に対応するために着実な進化を遂げている活動になっています。近年では、より広範な規制調和に関する対応を世界的に目指していますが、海外主要各国におけるジェネリック医薬品の承認審査についてもICHガイドラインに準拠した審査が行われるようになっています。一方、日本におけるジェネリック医薬品の承認審査は、必要に応じてICHガイドラインを参考にしつつ、対象となる先発医薬品との同等性・同一性を確認するという調査・審査が行われています。

 今般、日本においても更なる薬事規制の国際調和を促進すること、ジェネリック医薬品等の審査基準を明確化すること、科学的に妥当な範囲で製品特性に応じたより柔軟な品質管理の導入を促進すること、などを目的として、新医薬品に限らず、ジェネリック医薬品等の承認審査においてもICHガイドラインを適用対象とする検討が行われました。この適用に関しては、現状のジェネリック医薬品の承認申請上の取扱い等を踏まえ種々の課題があることから、日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)の関係委員会と厚生労働省 医薬局 医薬品審査管理課(以下「審査管理課」という)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という)ジェネリック医薬品等審査部により約1年間にわたる協議及び検討の会議が重ねて行われた結果、2025年11月17日付で「後発医薬品等へのICHガイドラインの適用について」(医薬審査発1117第1号)及び「「後発医薬品等へのICH ガイドラインの適用について」に関する質疑応答集(Q&A)について(審査管理課 事務連絡)の通知発出に至っています。

 本通知はジェネリック医薬品等の承認申請において、極めて重要な内容となることから、GE薬協では本件に係る行政当局による説明会の開催が必要と考え、調整を行っておりました。一方で、当該通知の適用対象となる医薬品はジェネリック医薬品のみに限らず長期収載品の承認申請(一変申請)にも関連し、関係する医療用医薬品を取扱う各製薬会社にも広く聴講して頂く必要があるとの意見もあり、日本製薬団体連合会(日薬連)に全面的なご協力を頂き、日薬連とGE薬協との共催による説明会として開催させて頂きました。

 GE薬協 薬制委員会 近野委員長の司会進行で説明会は開催され、冒頭のGE薬協 河野理事長の開催挨拶に引き続き、PMDA 執行役員 佐藤淳子 様よりICHガイドラインの適用によるジェネリック医薬品の国際展開などの将来展望に関して、更に、審査管理課 課長補佐 宮坂様からは、今回の通知の発出趣旨、適用対象となる医薬品とICHガイドライン、今回の通知により承認審査等において変更となる点と、取り扱い上のポイントとして通知には記載されていない留意点に加え、本通知に関しては行政当局から医療関係者への事前共有が既に行われていることなどについて説明を行って頂きました。

 また、本通知を踏まえた審査上での取り扱いの留意点等を踏まえた内容については、PMDAジェネリック医薬品等審査部 部長 髙木様より、ICHガイドラインの適用に向けた議論の背景と目的及び論点、適用される個々のガイドラインにおける取り扱いと留意点、更には今回発出された通知の案の段階で議論された主な意見・質問に対する回答などについての説明が行われ、最後には日薬連 薬制委員会 宮本委員長による閉会挨拶が行われました。

 説明会への参加者数は定員の1,000名を超える多くの皆様に聴講を頂くなど、GE薬協会員以外の多くの各製薬会社の皆様においても本通知への関心が高いことが伺われます。

 今回、通知と質疑応答集(Q&A)が同日に発出され、ジェネリック医薬品等のICHガイドラインへの適用はスタート地点に着いたことになります。ただし、対象となる個別のガイドラインが個々のジェネリック医薬品等にどのように適用されるのか、また適用上の問題・課題への具体的な対応など、今後も行政当局との更なるコミュニケーションは大変重要になると考えられます。

 GE薬協としても関連する各委員会と共に、今後もこれら行政当局等とのコミュニケーションを更に深めるための諸対応を行う必要があると考えています。