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月刊JGAニュース

後発品企業、戦国時代へ  

株式会社じほう
報道局 海老沢 岳 氏

 後発医薬品業界が転換点を迎えている。2026年度薬価制度改革は、その号砲と言っていい。今回の改革で注目されるのが、オーソライズド・ジェネリック(AG)に対する新ルールだ。新たにAGを薬価収載する場合、算定薬価を先発医薬品と同額にする。さらに薬価改定時には、AGと先発品を価格集約する仕組みも導入される。対象は10月以降収載されるAGで、すでに収載済みのAGは除外される。
 この制度の肝は、価格集約にある。AGを手がける企業が価格競争に走れば、次回改定で先発品の薬価までも引き下げられかねない。AGと後発品の価格競争が避けられない中、先発品企業がAGの許諾に慎重になる可能性もある。
 また診療報酬の各種加算で後発品の数量シェアを係数とする場合に、10月以降収載されるAGは後発品としてカウントされない。加算を取りたい医療機関、薬局でAGを敬遠する可能性がある。
 これまでAGは強いブランド力を誇ってきた。AGと後発品が同時に収載される場合には、AGが6割超のシェアを獲得するのが常だった。後発品各社は残り4割を奪い合う構図である。仮にAGの参入が減れば、後発品企業がより大きなシェアを確保し、数量増によって生産効率向上を図る余地が生まれる。
 もっとも、後発品企業も手放しで喜べるような状況ではない。26年度から、後発品企業の「企業指標」に基づくA・B・Cの区分が公表される。これにより安定供給に対する企業の貢献度が可視化され、医療機関や薬局が採用品目を選ぶ際の重要な判断材料となる。区分が低い企業の製品は、選ばれにくくなるだろう。
 加えて、A区分企業のうち一定条件を満たす企業には26年度から薬価改定時に銘柄別薬価が認められるのに対し、区分の低い企業の医薬品は3価格帯に集約される。評価の差がそのまま競争条件の差として跳ね返ることになり、明暗がより鮮明になる。
 企業再編も加速するだろう。26年度から始まる「後発医薬品製造基盤整備基金事業」では、品目統合や事業再編に対して国費で2分の1を補助する。24年度補正予算ですでに支援が動き出しており、企業間ではアライアンスを巡る駆け引きが始まっている。
 沢井製薬と日医工の一部品目統合、同一ファンド傘下にある日医工、共和薬品工業、T'sファーマの協業、ダイトやMeiji Seika ファルマが関与するコンソーシアムでの協議─。
 さらに品目統合の枠を飛び出し東和薬品と大塚製薬が長期収載品の製造で協業する発表が1月にあった。先発、後発の枠を超えた枠組みの構築だ。
 業界再編の形は一様ではない。
 企業文化も資本構成も異なる後発品各社が、国の支援をどう生かし、どの陣営につくのか。今後業界の想像の枠を超えた新たな連携があるのか、薬価制度改革を追い風にできるか、それとも淘汰の波にのみ込まれるか。後発品業界は今、まさに「戦国時代」に突入している。