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月刊JGAニュース

パテントリンケージ制度の変更点  

知的財産委員会

 パテントリンケージとはジェネリック医薬品の販売後に、特許侵害訴訟などにより製品の安定供給の問題が生じることのないよう、厚生労働省がジェネリック医薬品(後発医薬品)の製造販売承認にあたって、特許の有無を考慮する仕組みです(JGAニュースNo.114(2017年10月号)参照1)。

 これまでは「医療用後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて(平成21年6月5日 厚生労働省医政局経済課長/医薬食品局審査管理課長通知)」(通称、二課長通知)に基づいてパテントリンケージが運用されていましたが、令和7年に2件の厚生労働省通知が発出され、その運用が変わりました。

 まず、平成21年の二課長通知を改正するものとして「医療用後発医薬品及びバイオ後続品に関する医薬品医療機器等法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて(令和7年10月8日 厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課長/厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長通知)2」が発出されました。本通知によりパテントリンケージ制度の大枠について変更がなされた訳ではありませんが、①バイオ後続品が二課長通知の対象として明記されたこと、②医薬品特許情報報告票により先発医薬品企業から情報提供されていない特許については、原則として、後発医薬品/バイオ後続品の承認審査にあたって考慮しないとされたこと、の2点が主な改正ポイントとなります。

 次いで、「医療用後発医薬品及びバイオ後続品の承認審査に際する特許抵触の有無の確認における専門委員制度導入の試行について(令和7年11月14日 厚生労働省医薬局医薬品審査管理課長通知)3」が発出されました。こちらは後発医薬品/バイオ後続品が承認申請された際に、厚生労働省が特許への侵害の有無について第三者である専門委員に意見照会できる制度の試行に係るものです。専門委員は高度な法的知識を有する大学教員等の学識経験者又は医薬品特許に関する豊富な実務経験を有する弁護士若しくは弁理士のうち、両当事者(先発側・後発側)と利害関係を有さない者から原則3名が選出されます。専門委員制度の導入は「試行」とされていますが、その試行期間は不明であり、今後の制度運用等の動向に注目が集まります。

 

1)JGAニュース2017年10月号(114)知っ得!豆知識「パテントリンケージ」
https://www.jga.gr.jp/assets/uploads/2020/JGA-NEWS114-14.pdf

2)医療用後発医薬品及びバイオ後続品に関する医薬品医療機器等法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて(通知)
(医政産情企発1008第1号、医薬薬審発1008第5号令和7年10月8日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001575895.pdf

3)医療用後発医薬品及びバイオ後続品の承認審査に際する特許抵触の有無の確認における専門委員制度導入の試行について(通知)
(医薬薬審発1114第1号令和7年11月14日)
https://www.mhlw.go.jp/content/001594987.pdf