くすり相談委員会全体研修会について
日時:2026年2月16日
場所:日本ジェネリック製薬協会第1会議室(東京日本橋)
形式:対面+Web方式のハイブリッド開催
くすり相談委員会では、より質の高い情報提供を行うことを目的に、毎年1回、全会員企業を対象とした全体研修会を開催しています。主にくすり相談担当者の啓発・スキルアップを趣旨としており、「今、現場で求められている学び」を採り入れるよう努めています。
テーマの選定にあたっては、当委員会運営委員からの意見や、前年度の研修会参加者アンケートの結果などを参考とし、本年度は当委員会の全体研修会プロジェクトチームにおいて次の2つのテーマを取り上げました。
1.「医薬も関係するハラルの基礎知識と対応方法を学ぶ」
2.「電話対応に求められるリスク管理・効率化・正確性:プロセス可視化が導く高品質オペレーション」
研修会は、会場及びオンライン参加のハイブリッド形式で開催し、会場11名、オンライン56名(回線)の合計67名(会員会社29社中24社)のご参加のもと、最初に当協会 北村博樹副会長によるご挨拶をいただき開会いたしました。
1つ目の講演は「医薬も関係するハラルの基礎知識と対応方法を学ぶ」と題し、一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事であり、ハラルビジネスプロデューサーの佐久間朋宏様にご講演いただきました。
本講演では、ハラルの基本概念および実務上の留意点について解説いただきました。現時点で医薬品へのハラル認証は必須ではありませんが、イスラム圏では食品に限らず日用品等においても認証取得をする傾向があり、今後、医薬品分野へ波及する可能性が示されました。実際に、イスラム圏ではハラル認証を取得した医薬品(風邪薬・点眼薬)も一部で販売されているとのことでした。
一方で、イスラム教の教典であるコーランでは生命の保護が最優先とされていることから、医薬品分野への広がりは食品や日用品に比べて限定的である可能性も示されました。
また、イスラム教徒の方々は必ずしもハラル認証を受けた製品のみを使用するというわけではなく、ハラル認証とは、本来は各自が確認すべきハラル(神が許したもの)か否かを、認証機関が事前に確認する仕組みであるとの説明がありました。ただし、ハラル認証機関は多数存在し、認証機関の間で必ずしも統一基準が確立されているわけではないのが現状とのことでした。
さらに、イスラム教徒の方々の多くは親日的で、健康や長寿への関心が高いこと、日常生活において食品や製品がハラルであるかどうか(例えば、豚由来成分が含まれていないかなど)に細心の注意を払っていることを学びました。また、仮に意図せず豚由来成分を摂取してしまった場合でも、祈りや沐浴などの宗教的行為によって対応されることが一般的であることも理解しました。
成分由来をどこまで調査すべきか悩む場面も想定されますが、各社のポリシーに基づき可能な範囲で確認し、誠実に回答することが重要であるとの示唆を得ました。
2つ目の講演は「電話対応に求められるリスク管理・効率化・正確性:プロセス可視化が導く高品質オペレーション」と題して、メディアリンク株式会社コミュニケーションサービス統括部営業本部CSソリューション事業部セールスグループの横田謙様にご講演をいただきました。
本講演では、電話対応における受電、ヒアリング、確認・調査、回答・記録といった各プロセスの課題およびその要因を可視化することで、対策と解決に向けた仕組みづくりについてご解説いただきました。
受電時の最適な担当者への振り分け、ヒアリング時の音声認識や、患者様・医療関係者の皆様からの問合せに対する適切な回答のポップアップ表示、確認・調査時の時間短縮、回答・記録時のテンプレート標準化やFAQへの反映といったナレッジ活用など、各プロセスにおけるAIや各種ツールを活用した業務フローについて、具体的な実演を交えてご紹介いただきました。併せて、今後を見据えたAIや便利なツール活用戦略のご説明では、AIを活用できる例示だけでなく、人へのエスカレーションが必要である例もご提示いただきました。
各社が抱えるリスク管理や業務効率化の課題に加え、くすり相談窓口は情報量が圧倒的に多く、高い正確性が求められること、また複数部門が関与することによる対応の難易度の高さについて整理し、そのうえで、解決に向けて優先順位を明確にし、着手可能な事項から取り組むことの重要性について示唆をいただきました。
各講演後には活発な質疑応答が交わされ、充実した研修会となりました。
ご多忙のところご登壇・ご協力いただきました佐久間朋宏様、横田謙様に、改めて深く感謝申し上げます。

