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月刊JGAニュース

地域支援・医薬品供給対応体制加算について  

 令和8年度診療報酬改定において、これまで後発医薬品の使用割合による加算であった、「後発医薬品使用体制加算」、「後発医薬品外来使用体制加算」、「後発医薬品調剤体制加算」について、それぞれ廃止され評価が新設されました。

■後発医薬品使用体制加算 ⇒ 地域支援・医薬品供給対応体制加算
■外来後発医薬品使用体制加算 ⇒ 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算
■後発医薬品調剤体制加算 ⇒ 地域支援・医薬品供給対応体制加算

本稿ではこれらについて整理をしてまいります。

1. 地域支援・医薬品供給対応体制加算、地域支援・外来医薬品供給対応体制加算
 後発医薬品の使用が定着しつつある一方、主に後発医薬品において不安定な供給が発生することが課題となっており、これにより医療機関において追加的な業務が生じている状況を踏まえ、医薬品の安定供給に資する体制を有している医療機関に対する評価が新設されるとともに、後発医薬品使用体制加算及び外来後発医薬品使用体制加算が廃止されました。

【加算】
○ 病院・有床診療所:入院初日
地域支援・医薬品供給対応体制加算1:87点
地域支援・医薬品供給対応体制加算2:82点
地域支援・医薬品供給対応体制加算3:77点
○ 診療所:1処方につき
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1:8点
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2:7点
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3:5点

【主な施設基準】
・病院では、薬剤部門において後発医薬品の品質、安全性及び安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ薬事委員会等で後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていること。診療所では、薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質、安全性及び安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていること。
・当該保険医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が、加算1にあっては90%以上、加算2にあっては85%以上90%未満、加算3にあっては75%以上85%未満であること。
・後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用に積極的に取り組んでいる旨を掲示していること。
・医薬品の供給が不足した場合に、医薬品の処方等の変更等に関して適切な対応ができる体制が整備されていること。当該体制に関する事項並びに医薬品の供給状況によって投与する薬剤が変更となる可能性があること及び変更する場合には患者に十分に説明することについて掲示していること。
・個々の医薬品の価値及び流通コストを無視した値引き交渉を慎むこと。また、原則として全ての品目について単品単価交渉とすること。
・医薬品の流通の効率化及び安定供給の確保のため、卸売販売業者への頻回配送、休日夜間配送及び急配に係る過度な依頼を慎むこと。
・厳格な温度管理を要する医薬品及び在庫調整を目的とした医薬品等については卸売販売業者への返品を慎むこと。
・医薬品の流通改善及び安定供給の観点から、平時から地域の保険医療機関、保険薬局及び医療関係団体と連携し、取り扱う医薬品の品目について情報共有や事前の合意等に取り組むことが望ましい。

(厚生労働省 「令和8年度診療報酬改定の概要【医科全体版】」令和8年3月6日 一部改変):https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001693568.pdf

2. 地域支援・医薬品供給対応体制加算(調剤)
 後発医薬品の使用が定着しつつある一方、医薬品の供給不安により追加的な業務が生じている状況を踏まえ、これまでの後発医薬品調剤体制加算は廃止され、医薬品の安定供給に資する体制について新たな評価を新設されました。
 新たに「地域支援・医薬品供給対応体制加算1」が新設されました。また、地域支援体制加算について要件が見直され、「地域支援・医薬品供給対応体制加算1」の施設基準を満たすことを前提としたうえで、「地域支援・医薬品供給対応体制加算2~5」として新設されています。

【加算と要件】

【地域支援・医薬品供給対応体制加算1の主な施設基準】
イ 地域における医薬品の安定供給を確保するために必要な体制を有していること。
(1) 医薬品の安定供給に向けた計画的な調達や在庫管理を行うこと。
(2) 他の保険薬局に医薬品を分譲した実績(同一グループは含めない)があること。
(3) 医薬品供給不安等により、迅速な医薬品入手が困難な場合は、入手可能な保険薬局を探し、在庫を確認の上、患者を紹介や、処方医に処方変更の可否を照会する等適切な対応をすること。
(4) 重要供給確保医薬品のうち内用薬及び外用薬であるものは1ヶ月程度の備蓄をするよう努めること。
(5) 原則として、単品単価交渉の実施をしていること。
(6) 卸売販売業者への頻回配送・休日夜間配送・急配に係る過度な依頼を慎むこと。
(7) 温度管理を要する医薬品や在庫調整を目的とした卸売販売業者への医薬品の返品は慎むこと。
(8) 地域の保険医療機関や保険薬局、医療関係団体と連携し、取り扱う医薬品の品目についての情報共有や、事前の取り決めを行っておくことが望ましい。

ロ 当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が85%以上であること。
 ※〔経過措置〕令和8年3月31日において現に後発医薬品調剤体制加算1、2又は3に係る届出を行っている保険薬局については、令和9年5月31日までの間に限り、ロに該当するものとみなす。

【地域支援・医薬品供給対応体制加算2~5の主な施設基準】
 (1)地域医療に貢献する体制を有することを示す実績(下記の要件)

※①~⑧は処方箋1万枚当たりの年間回数、⑨は薬局当たりの年間の回数
※調剤基本料1の薬局
 ・地域支援・医薬品供給対応体制加算2:④を含む3つ以上
 ・地域支援・医薬品供給対応体制加算3:①~⑨のうち7つ以上
 調剤基本料1以外の薬局
 ・地域支援・医薬品供給対応体制加算4:④、⑥を含む3つ以上
 ・地域支援・医薬品供給対応体制加算5:①~⑨のうち7つ以上
(2)地域における医薬品等の供給拠点としての対応
 ア 十分な数の医薬品の備蓄、周知(医療用医薬品1200品目)
 イ 薬局間連携による医薬品の融通等
 ウ 医療材料及び衛生材料を供給できる体制
 エ 麻薬小売業者の免許
 オ 取り扱う医薬品に係る情報提供体制
 カ 調剤室の面積が16平方メートル以上確保されていること
 (令和8年6月以降に開設・改築・増築する場合のみ適応)
(3)休日、夜間を含む薬局における調剤・相談応需体制
 ア 一定時間以上の開局
 イ 休日、夜間の開局時間外の調剤・在宅業務に対応できる体制
 ウ 当該薬局を利用する患者からの相談応需体制
 エ 夜間・休日の調剤、在宅対応体制(地域の輪番体制含む)の周知
(4)在宅医療を行うための関係者との連携体制等の対応
 ア 診療所又は病院及び訪問看護ステーションと円滑な連携
 イ 保健医療・福祉サービス担当者との連携体制
 ウ 在宅薬剤管理の実績24回以上
 エ 在宅に係る研修の実施
(5)医療安全に関する取組の実施
 ア プレアボイド事例の把握・収集
 イ 医療安全に資する取組実績の報告
 ウ 副作用報告に係る手順書を作成
(6)かかりつけ薬剤師が服薬管理指導を行う旨の届出
(7)患者毎に服薬指導の実施、薬剤服用歴の作成
(8)管理薬剤師要件(薬局経験5年以上、常勤、当該薬局在籍1年以上)
(9)研修計画の作成、学会発表などの推奨
(10)患者のプライバシーに配慮、椅子に座った状態での服薬指導
(11)地域医療に関連する取組の実施
 ア 一般用医薬品及び要指導医薬品等(基本的な48薬効群)の販売
 イ 健康相談、生活習慣に係る相談の実施
 ウ 緊急避妊薬の調剤又は販売を含む女性の健康に係る対応
 エ 当該保険薬局の敷地内における禁煙の取扱い
 オ たばこの販売禁止(併設する医薬品店舗販売業の店舗を含む)
 カ セルフメディケーション関連機器の設置(少なくとも3つ)
  ① 体重計 ② 体温計 ③ 血圧測定器 ④ 体組成計(体脂肪率、BMI等を含むもの) ⑤ 血中酸素飽和度測定器(パルスオキシメータ) ⑥ 握力計 ⑦ 骨密度測定器
 キ 薬事未承認の研究用試薬・検査サービスを提供していないこと

(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」令和8年度3月5日 一部改変):
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001684593.pdf

3. カットオフ値要件の削除について
 これまで後発医薬品の数量シェアにおける点数の算定において、カットオフ値が設定されていましたが、今回の改定でこの要件は削除されました。

4. 流通改善ガイドラインについて
 上記点数の要件において単品単価取引などの医薬品流通に関する要件がありますが、これは「流通改善ガイドライン」の順守要件となります。本ガイドラインは2026年3月4日に改訂されています。
 「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」の改訂について:
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001665718.pdf

 本情報は記事作成時点のものです。点数や算定要件、施設基準等は厚生労働省による正式な告示・通知等で改めてのご確認をお願いいたします。