令和8年3月度臨時総会報告
日時:2026年(令和8年)3月26日(木)15:00~17:00
場所:日本橋ライフサイエンスビル
形式:対面およびオンラインによるハイブリッド
出席:出席21 社、欠席7社、オブザーバー出席1社
※正会員(29社)
臨時総会は定刻通り開催され、冒頭、当協会会長の川俣 知己から臨時総会開催に係る挨拶が行われました。臨時総会議長は、引き続き川俣会長が担当し、議事進行が行われました。
第1号議案「令和8年度事業計画議決に関する件」
第1号議案では、理事長 河野 典厚より参考の「令和7年度の取組み(総括)と令和8年度の活動計画の基本的考え方と重点施策について」の報告が行われ、その後、協会の各委員会委員長より令和8年度の委員会事業計画骨子に関する説明がありました。これらの説明については、議長より議場に諮ったところ、原案どおり承認可決されました。
第2号議案「令和8年度収支予算議決に関する件」
第2号議案では、総務部長 末吉 孝幸より収支予算議決資料に基づき説明が行われました。その後、議長より議場に諮ったところ、令和8年度の予算議決については、原案どおり承認可決されました。
【参考(抜粋)】
令和7年度の取組み(総括)と令和8年度の活動計画の基本的考え方と重点施策について
1. ジェネリック医薬品をめぐる諸課題と協会としての対応(令和7年度総括)
2004(平成16)年の 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(いわゆる「骨太の方針」)」において「後発医薬品市場の育成」が明記されて以降、政府は様々なジェネリック医薬品使用促進策を講じ、その結果、ジェネリック医薬品への置き換え可能な医薬品の数量シェアは30%台から90%近くまで大きく伸長した。また医薬品全体としても数量ベースにおいて約半数を占めるようになるなど、ジェネリック医薬品産業は国民の健康・生命を守る医療の重要な基盤として成長した。他方で、ジェネリック医薬品の安定供給への取り組みとジェネリック医薬品業界全体の信頼回復は早期に解決すべき喫緊の課題である。
このことから、令和7年度は、協会会長のイニシアティブによる安定供給を中心とした重点施策(いわゆる「三本柱」)の具体的対応を着実に実施した。また、医療を巡る広範なステークホルダーとの平素からの関係構築に努めつつ、これら安定供給を中心とした取り組みを背景に、令和8年度薬価制度改革などの政府による各種政策に対し、業界意見を積極的に表明するとともに、ジェネリック医薬品のより強固な安定供給体制構築のための新たな会員制度創設の準備を進めた。更に、令和7年度改正薬機法の施行、ジェネリック医薬品承認審査等の国際化(ICH準拠)及びパテントリンケージの専門委員制度の試行導入など、政府による新たな制度構築やジェネリック医薬品を巡る様々な環境変化に対し、より円滑な施行・実施のために当局との意見交換を行うなど対応を行った。
この他にも、協会内の各委員会・会議体による着実な活動により、令和7年度も協会として着実な成果をあげることができたものと考える。
【令和7年度の主な業務実績】
(1) 安定供給を中心とした重点施策(いわゆる「三本柱」)
①「安定供給責任者会議」の設置・運営
各社の安定供給責任者の登録、設置規約制定等を経て、2025年3月の第1回会合より毎月会議を開催し、会議体内に安定供給不安事象の分析等に関するプロジェクトチームを立ち上げ、分析結果を「あり方研究会」の報告書に反映した。
②品質文化醸成に向けた「教育研修部会」による研修の実施
アカデミアの協力のもと、各社の品質等を担当する研修責任者及び経営者等を対象とした品質文化醸成のための教育研修を2025年3月に第1回目として開催し、その後、隔月の頻度で継続して開催している。
③「GE薬協産業構造あり方研究会」による検討及び成果公表
外部有識者及び協会内関係者で構成する研究会については、2025年2月に第1回会合を開催し、同年5月には中間報告をとりまとめ、公表を行った。その後、累次に渡る研究会での検討を踏まえ、2026年2月には最終報告書を取りまとめ、公表に至った。
(2) 令和8年度薬価制度改革
2025年7月、9月及び12月に開催された中央社会保険医療協議会・薬価専門部会においてGE薬協としての意見陳述を実施した。その結果、令和8年度薬価制度改革において、後発品の価格帯集約の見直し、最低薬価の引き上げ、不採算品再算定の対象品目拡大、などをはじめとする各種制度の見直しが実施されることとなった。
(3)新たな会員制度の創設
ジェネリック医薬品全体のより強固な安定供給体制構築のため、協会の安定供給に関する取り組みに特化したネットワーク型の新たな会員種別「安定供給ネットワーク会員」を設立し、2026年4月より受付を開始する予定である。
(4)ジェネリック医薬品承認審査の国際化(ICH準拠)等
当局によるジェネリック医薬品承認審査の国際化(ICH準拠)に対し、薬制委員会・品質委員会・製剤研究会が連携の上、円滑な導入のための当局との意見交換を累次にわたり行い。2025年11月には当協会及び日本製薬団体連合会との共催による当局による関連説明会を実施(会員外企業を含め約1000名が聴講)した。更に、2026年3月にはジェネリック医薬品承認審査のICH準拠に関し行政当局を講師とした当協会会員会社向けの講演会を開催した。
(5)その他
上記のほか、ジェネリック医薬品を巡る各社共通の様々な課題に対し、協会として積極的に対応・情報発信を実施。
■承認審査時の新たなパテントリンケージに係る専門員制度の試行導入に係る協会としての意見表明
■いわゆる「後発医薬品を適切に使用していくためのロードマップ(新ロードマップ)」への着実な取り組み・とりまとめの実施。
■承認書と製造実態に係る自主点検結果の薬事手続きに関する当局との調整及び再発防止に向けた対応の検討・実施。
■各種国際対応の実施。
■「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会(流改懇)」、厚生科学審議会・医療用医薬品迅速・安定供給部会などの政府関係会議、「ジェネリック医薬品の将来を考える会(ジェネリック医薬品議連)」、定期的な記者説明会開催など様々な場を通じ、また、患者・国民、医療関係者、保険者などのステークホルダーに対する協会としての取り組みを積極的に広報・説明。
■その他ジェネリック医薬品を巡る各社共通の様々な課題に対応。
2. 令和8年度(2026年度)に実施すべき協会事業の基本的考え⽅と重点施策
(1) 総論
ジェネリック医薬品の数量シェアについては、当初の政府目標80%を⼤きく超え90%近くまで伸長してきている。このような状況下において、ジェネリック医薬品は今や多くの患者・国民にとって最も身近な医薬品となり、ジェネリック医薬品産業は国民の健康・生命を守る医療の重要な基盤となっている。このような立ち位置を考えた場合、ジェネリック医薬品の安定供給や品質確保は当然のことであり、またその存在意義としては、患者個⼈や医療保険財政にとっての「経済合理性」の提供だけではなく、今後さらなる価値を創造し、より強い責任感を持ったジェネリック医薬品の提供を行うことが求められると考える。
他方でジェネリック医薬品製造販売に係る経営環境を俯瞰すると、2020年度から2024年度までの5年間でジェネリック医薬品は数量ベースで16.8%増(137億(薬価収載単位)増)を供給しているのに対し、同5年間のジェネリック医薬品国内市場は薬価ベースで僅か0.5%増に留まっている。また昨今では特に生産⼈口の減少・大都市一極集中化によりジェネリック医薬品企業各社とも従業員の確保にも困難を来たしている。一方、海外に目を転じると、地政学的リスクの高まりや昨今では中東情勢により原材料・燃料費の高騰・調達困難といったリスクが現実に生じてきている。このように、ジェネリック医薬品製造販売に係る経営環境は、より一層厳しくなるものと考えられ、各社とも⼀層の経営努力・生産の合理化を図りつつ、協会活動としては、各社共通の政策的課題について適時適切に企画立案を行い、これらについて関係ステークホルダーと調整を行い、理解いただくなどの活動をより一層実施していく必要があると考える。
(2) 各論
業界活動としては、関係する情報収集・ステークホルダーとの意見調整・広報など日常的活動がとても重要である。これに加え、上記総論を踏まえ、令和8年度(2026年度)の重点的に取り組むべき活動(例)としては以下のとおりと考えられる。
① 安定供給への取り組みとジェネリック医薬品業界全体の信頼向上の取り組み
・「安定供給責任者会議」を通じた各種取り組み
・「安定供給責任者会議」以外の各委員会活動を通じた取り組み
・「安定供給ネットワーク会員」等の新たな会員募集を通じたより強固な安定供給体制の構築
・品質文化醸成に向けた「教育研修部会」による研修の実施
② ジェネリック医薬品に関する各種政策課題への対応
・上記①の「安定供給」以外の各種政策的課題の抽出・政策立案など
③ 国際対応(承認審査の国際化(ICH準拠))
・従来とは異なり、薬事規制に関するジェネリック医薬品業界として必要な制度設計・意見などは、必要に応じICHに係る議論の段階から打ち込んでいく必要があることから、国際対応に関し関係委員会間での意思疎通・連携が一層重要
④ 協会の組織体制・機能の強化
・現在、協会では16の常設委員会、3の非常設委員会(安定供給責任者会議を含む)が設置されている。昨今のジェネリック医薬品をめぐる様々な課題を考慮すると、効率的かつ着実な業界活動を実施する体制についても十分考慮する必要があり、例えば「安定供給責任者会議」の常設委員会化を含め、「スクラップ・アンド・ビルド」を原則とした委員会活動のあり方についても議論する必要がある。
以上、協会全体の視点から概括的な事業の方向を記した。今後もジェネリック医薬品に関わる団体及びこれを供給する企業としての役割と責務を全うし、関係各界の期待に応えられるよう一層努力する必要がある。