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診療報酬上の多剤投与の適正化

 診療報酬上、一つの処方で7種類以上の投薬は「多剤投与」とされ、減算規定が定められています。加齢に伴い一人が患う傷病数が増加し処方される薬剤数も増加すると言われ、高齢であるほど、不定愁訴も相まって処方される薬の種類が多くなる傾向があります。
 2017年の日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の比率)は27.7%という超高齢化であり、65歳以上人口は2040年にピークを迎えると推計されています。高齢者では、6種類以上の投薬で有害事象の発生が増加傾向にあるとする研究報告や、服薬する回数や服薬する薬剤数が多いほど服薬アドヒアランスが低下する等の指摘があり、多剤投与の適正化への取り組みが推進されています。
 2016年度診療報酬改定では、多剤投与の患者に対する減薬を伴う指導を評価する項目が新設されました。具体的には、入院時に処方されていた薬剤種類数が退院時に減少した場合や、外来受診時や在宅医療受診時に処方されている薬剤の処方内容を検討した上で種類数が減少した場合を評価の対象としていました。これに加えて2018年度診療報酬改定では、薬局における対人業務の評価の充実として、保険薬剤師が処方医に対して処方内容を提案し、調剤する内服薬の種類数が減少した場合も対象となりました。
 また、向精神薬については、諸外国と比較して処方薬剤数が多いことや、ベンゾジアゼピン系薬剤の連用による薬物依存や高齢者の転倒などの問題が指摘されることから、投与される種類数や投与期間の適正化が図られています。


診療報酬上での取り扱い例

・処方料、処方箋料
3種類以上の向精神薬又は4種類以上の抗不安薬及び睡眠薬の投薬や、7種類以上の内服薬の投薬の場合、処方料または処方箋料及び薬剤料の減額。
・薬剤総合評価調整加算
(1)入院時に6種類以上の内服薬が処方されていた患者について、処方内容を総合的に評価した上で調整し、退院時に処方薬剤が2種類以上減少した場合(4週間以上継続する場合に限る)、退院時に1回のみ入院基本料に加算できる。
(2)精神病棟に入院中の患者について、入院直前又は退院1年前のいずれか遅い時点で抗精神病薬を4種類以上内服していたものについて、退院日までの間に2種類以上減少した場合に退院時、1回のみ入院基本料に加算できる。
・薬剤総合評価調整管理料
入院中以外の患者について、6種類以上の内服薬が処方されていたものについて、処方内容を総合的に評価した上で調整し、処方される内服薬が2種類以上減少した場合(4週間以上継続する場合に限る)、月1回に限り医学管理料として算定できる。
・服用薬剤調整支援料
6種類以上の内服薬が処方されていたものについて、処方医に対して、保険薬剤師が文書を用いて提案し、当該患者に調剤する内服薬が2種類以上減少した場合(但し、同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外への薬剤への変更を保険薬剤師が提案したことで減少した場合は、減少した種類数に含めない)、月1回に限り調剤報酬の薬学管理料として算定できる。

JGAニュースNo.125(2018年9月号)