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【Factに迫る!】『オーセンティックリーダーシップ』について

【Factに迫る!】『オーセンティックリーダーシップ』について
目次

【Factに迫る!】『オーセンティックリーダーシップ』について

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前回、『価値創造思考(イノベーション思考)まとめ』について紹介いたしました。
今回も、読者の反響から、『オーセンティックリーダーシップ』について紹介します。

今回、ハーバードビジネスレビューから「オーセンティックリーダーシップ」と科学的根拠(エビデンス)で子育て-教育経済学の最前線-から「リーダーシップ」ついて紹介いたします。

①『オーセンティックリーダーシップ』

今回、ハーバードビジネスレビュー(HBR)2025年6月号リーダーらしさはどこから生まれるのか から、「オーセンティックリーダーシップ」ついて紹介します。(図1)

 

(図1)著者作図
引用:ハーバードビジネスレビュー2025年6月号リーダーらしさはどこから生まれるのか

 

オーセンティック(authentic)とは「本物の」「正真正銘」「信頼できる」という意味があります。
リーダーシップにおいては、「自分らしさ」である自身の価値観と誠実さを軸に行動するリーダーのスタイルになります。

リーダーシップについては、既寄稿「マネジメント現在・過去・未来」(2024.10.01)等でも取り上げていますが、優れたリーダーになりたいと願う人は、誰でもリーダーなることができます。

今回のHBRの論考によれば、最近のリーダーシップ論では、優れたリーダーと認められている人とは、唯一の正解はなく、完璧を目指すよりは、むしろ自分らしくあるほうが、結果としてチームや組織に良い影響がもたらすことがわかってきています。

そして、リーダーは、自らのアイデンティティ(identity)個性を深く理解し、自分の個性を伝えることでオーセンティック(自分らしさ)を示し、信頼を得られるとしています。

また、日本マイクロソフト津坂美樹社長は、リーダーは必ずしも完璧さは求められていないとし、リーダーが自然体でいることで、人も組織も成長できるとしています。

自らの失敗を意識的に共有し、失敗の共有はメンバーに学習機会をもたらし、個人や組織の成長につながるとしています。

まさに、トライ&エラー、エラー(error)&ラーン(learn)です。

このオーセンティック(自分らしい)リーダーシップ論は、我々ビジネスパーソンにとっても大きな気づきになるのではないでしょうか。

②『教育経済学の最前線-リーダーシップ-』

科学的根拠(エビデンス)で子育て-教育経済学の最前線-から「リーダーシップ」ついて紹介いたします。(図2)

 

(図2)著者作図
 引用:科学的根拠(エビデンス)で子育て-教育経済学の最前線-中室牧子[著]ダイヤモンド社

 

科学的根拠(エビデンス)で子育て-教育経済学の最前線-で、著者の慶応義塾大学 総合政策学部 中室牧子教授は、「社会性」は近年、経済学の研究が特に注目している非認知能力*の一つとし、

リーダーシップについては、「自分に自信がある」などの性格的な特徴は、リーダーシップの有無とは、ほとんど相関関係がなく、

「社会性」つまり人々と共に過ごすことに喜びや楽しみを見出しているかどうかはリーダーシップと強い相関性がある。
と喝破しています。

そして、リーダーシップは経験を積むことによって習得できるスキルであるとしています。

このことは、我々ビジネスパーソンも勇気付けられるエビデンスではないでしょうか。
だれもが、リーダーなれることを示唆しています。

一方、国連世界幸福度ランキング2025では、日本は147か国中55位ですが、「他人に対する信頼度が高く」「他人を信頼するヒトほど幸福度が高い」とレポートしています。

このことは、リーダーの「チームメンバーに対する信頼」、いわゆる社会性が高いことによって、リーダー自身も幸福度が高くなることを示唆しています。

そして、多くのビジネスパーソンがリーダーシップを発揮することで、だれもがビジネスに限らず、社会的にもウェルビーイングになるために寄与するのでないかと考えます。

一人ひとりだれもが、人生のリーダーです。

VUCA時代のエクセレントビジネスパーソンは、「自分らしいリーダーシップ」を身に付けることで、いつまでも変化できる自分自身をマネジメントし、エキサイティングに、「ありたい姿」である未来の価値を創造し、自分らしい「ウェルビーイング」に近づける可能性が高まります。

*既寄稿『非認知能力』(2024.04.01)参照

③最後に

医薬品・医療機器企業はこれから、「オーセンティックリーダーシップ」を実践することで、自社を「トランスフォーメーション」し、持続可能(SDGs)な国民皆保険を含めた社会保険制度維持に貢献していくべきと考えます。

 

2025年8月
文責:ニプロ株式会社 山口博人(日本FP協会会員AFP)

参考情報
〇『価値創造思考(イノベーション思考)まとめ』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250801.html
〇『価値創造思考(イノベーション思考)パート3』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250701.html
〇『価値創造思考(イノベーション思考)パート2』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250606.html
〇『価値創造思考(イノベーション思考)』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250501.html
〇『イノベーション・プラットフォーム』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250401.html
〇『働きがい』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250303.html
〇『心理的安全性』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250203.html
〇『社会的インパクト』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/250106.html
〇『マネジメント現在・過去・未来(パート3)』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/241202.html
〇『マネジメント現在・過去・未来(パート2)』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/241101.html
〇『マネジメント 現在・過去・未来』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/241001.html
〇『金融リテラシー』:日本ジェネリック製薬協会JGA
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240902.html
〇『マーケティング・イノベーション』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240801.html
〇『人材バランスシート』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240701.html
〇『キャリアオーナーシップ』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240601.html
〇『レジリエンス』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240501.html
〇『非認知能力』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240401.html
〇『ファイナンシャル・ウェルビーイング』:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240304.html
〇『イノベーションと無形資産』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240201.html
〇『非財務情報可視化』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/240109.html
〇『2023年ノーベル経済学賞、ノーベル生理学・医学賞』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/231201.html
〇『リスキリング(鳥の目、虫の目、魚の目)』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/231101.html
〇『三位一体の労働市場改革』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/231002.html
〇『女性活躍推進』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230901.html
〇『次世代育成支援対策』について:日本ジェネリック製薬協会JGApedia
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〇『AI戦略』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
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〇『PBR革命』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/230601.html
〇『日本版ジョブ型』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
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〇『Society 5.0』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
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〇『ウェルビーイング・マーケティング』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
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〇『サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
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〇『インパクト加重会計』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
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〇『KPI経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/221201.html
〇『価値創造経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/221101.html
〇『ムーンショット経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/221003.html
〇『人的資本経営(パート3)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220901.html
〇『人的資本経営(パート2)』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220801.html
〇『人的資本経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220701.html
〇『ウェルビーイング経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220601.html
〇『VUCA時代経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220510.html
〇『パーパス経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220325.html
〇『ESG経営』について:日本ジェネリック製薬協会 JGApedia
https://www.jga.gr.jp/jgapedia/ge/220120.html